――清宮さんにとって、前田さんは、女優としてもアイドルとしても大先輩です。これを機会に、前田さんに質問したいことはありますか。
清宮:どうしたらお芝居が上手くなりますか。
前田:でも18歳で、ここまで当たり前に舞台をやれているのはすごいですよ。私は全然ダメでしたし、「楽しい」と思えるようになったのも、ここ数年の話です。見た瞬間からお芝居が好きなんだろうなとよく分かりましたし、可能性しかないから、もっとやっていってほしいなと感じました。
そのうえでアドバイスするとしたら、私は普通のことをたくさんすることが一番いいんじゃないかなって思います。普通に生きること、普通の感覚を持つこと。地元の友達と遊ぶとか、何か料理を作ってみるとか。アイドル時代はなかなかそういうことをするのも難しいから、そこでチグハグするんだよなって、辞めたときにすごく感じたんです。特にこれからのお芝居の流れとして、自然体を求められるものが増えてきてますしね。あとは、演劇が勉強になると思うので、ぜひ挑戦してほしいです。
清宮:「周りはキラキラしてるけど、私はいつも不完全な感じだなぁ」ってずっと思っていたので、ちょっと安心しました(笑)。
前田:うん、そのままでいいと思うよ。
――前田さんと清宮さんは、年齢が12歳離れていますが、ジェネレーションギャップは感じることはありましたか。
前田:一回り年齢が違いますからね(笑)。でも全然ジェネレーションギャップはなかったです。めちゃめちゃしっかりしてるので、高校をこの間卒業したばかりというのを聞いて、「嘘でしょ」って言いましたもん。今の子達は本当にすごいですね。みんなすごく器用で洗練されていて、レベルが上がってるんだろうなって思います。
――逆に、今の洗練されている若い方に対して、「ここはもっとこうした方が良い」というアドバイスはありますか。
前田:ボロボロにもなってほしいですけどね(笑)。もがいてみて、「つらい!」みたいな感覚を味わってほしいです。感情的に泣いたりって絶対にないでしょ(笑)?
清宮:実は乃木坂46に入って最初の頃はありました。「ずっと泣いてばっかりだな」って怒られてました。
前田:でもいいと思うよ。つらい時はつらいって言った方がいいと思う。
清宮:よく実家に帰るんですけど、家族の存在が大きいですね。あんまり仕事の話はしないんですけど、支えになっています。
――最後に、お二人が臨む「夢路空港」で見てほしいところをお聞かせください。
前田:セリフは本当に普通の会話なんですが、その中に“ちゃんと自分と向き合う”ということがすごく散りばめられています。登場人物すべてが、ちょっとした一歩なんですが、「次はこっちに進んでみようかな」というのを見つけていく。大きいことではないですけど、大事な瞬間が切り取られてるなと感じます。夜寝る前、1人で考えると良くない方向に進みがちですが、この「夢路空港」を見ていただければ、「今日はいい夢を見れそうだな」という夜になるんじゃないかなって思います。
清宮:定点カメラで覗き見るような感覚になるのかなと思います。なので、あんまり気負わずに、皆さんも「覗いてみるか」というような気持ちで楽しんでいただけたらうれしいです。
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