――改めて、「朝の帯ラジオのパーソナリティ」というのはすごいことですよね。
今までやってこられた方々のことを考えると、やっぱり大きなことだともちろん思うんですが、自分の中でも時と場合によって使い分けているというか。「大きいことだ」と思い過ぎると背負いきれなくなって、自分的にも結構苦しい時期もあったんです。だから、言い方は悪いですけどどこかで「しょせんラジオ」というぐらいで思っておきたいという気持ちもあるんですよね。重みをしっかり感じるからこそ、感じすぎないためにどうしようかなっていうのはすごく考えてます。
――伊集院光さんの後番組となりますが、「伊集院さんの放送を継ごう」というような思いはありますか。
継ごうなんて恐れ多いことはまったく考えていません。それでも、生まれ育った名古屋では伊集院さんのラジオが聴けなかったんですが、東京に来てから「深夜の馬鹿力」と当時やっていた「日曜日の秘密基地」を聴いて「こんなに面白んだ」と本当に衝撃的でした。それからずっと聴き続けていたので、やっぱり自分の中には“伊集院さんのラジオ”のエッセンスが入っていると思います。
――伊集院さんは番組で「向井君があいさつに来てくれた」と話されていましたね。
本当は番組に伺えたらと良いなと思っていたんですが、それがなかなか叶わずで「このままあいさつせずに始めるのもな」と思っていたときに、伊集院さんが別の番組でテレビ局にいらした時に、「春から朝の番組をやらせていただきます」とごあいさつだけさせていただきました。伊集院さんも本当に笑顔で「頑張ってね」っておっしゃってくれましたね。
――伊集院さんは放送でも「向井くんは絶対面白いラジオをやる人だと思う」などと、後押しをしてくれるようなことをおっしゃってくれてますよね。
伊集院さんはラジオを本当に大事にされてきた方なので、たぶんいろんな思いがあると思うのですが、次の僕にも気づかってあのようなことを言っていただいて…。改めて偉大な先輩だなと感じました。
――「伊集院光とらじおと」が終了した直後には、向井さんはTwitterで「感情ぐちゃぐちゃです」とつぶやいていました。
そうですね。やっぱり聴いていた番組なので、「番組が終わってしまうんだ」という気持ちがありつつも、次にやるのは僕であり、やるのが楽しみというのも本当の気持ちだし。寂しい気持ちと楽しみな気持ちで、ぐちゃぐちゃでしたね。