――向井さん自身、近年はラジオ以外にも「あちこちオードリー」「有吉の壁」「トークサバイバー」など多くの番組でインパクトを残しています。お仕事がかなり好調である印象を受けますが、何かきっかけはあったのでしょうか。
「有吉の壁」がゴールデンになったことが、ひとつ大きかったですね。それまでは芸人っぽい仕事をしていない、“芸人”と名乗ることへの負い目があって、自分に対してごまかしながらやっている部分がありました。そういった気持ちを軽くしてくれたのが「有吉の壁」なんですよ。テクニックや才能は変わらないんですけど、今持っているものでお笑いをやるためにはどうしようと考えたときに、それに対しての答えは「体当りでぶつかれ」っていうことでした。なので、「トークサバイバー」にしても体当たりでぶつかっているだけというか、とんでもない才能を持った皆さんの中に入れてもらったときに、自分が太刀打ちできるとしたら「もう腹をかっさばいて挑むしかない」と。そう思いはじめてから、いろいろなお仕事がいただけるようになりました。
――「ツッコミワードのセンスで笑わせたい」などと考えたときもあったかと思いますが、結論は体当たりだったんですね。
そうですね。結局はごまかせないんだなと。できるっぽく立ち回っていても、やっぱり無理なものは無理ですから。「無理な時にどうするか」というのを突きつけられたのが、まさに「有吉の壁」で、体当りで行くしかないとなったんです。でも今までやってきたことも全部振りになるわけですから、できるっぽく振舞ってた期間も全部無駄じゃなかった。むちゃくちゃなことをやっても、イメージにないから笑ってもらえたりしますし。そういったことも全部含めて、結局は今までやってきたことの積み重ねでしかないんですけどね。
――今回のラジオに関しても体当たりで臨まれますか。
そうですね、やはりラジオは特にごまかしがきかないし、取り繕ってしゃべることもできないです。そういう意味では、言葉で体当たりするしかないですね。
――ところで、さらば青春の光さんが「さらば青春の光がTaダ、Baカ、Saワギ」で向井さんが朝の番組をやることをよくネタにされてますよね(笑)。
勝手に番組名やジングルを考えたりとか、ずっと絡んでくるんですよね。ちょっとそろそろ絡まないでほしいと思ってますけど(笑)。でもまあ、正直なことを言うと、ずっと「#ふらっと」をいじってくれているのは嬉しいですね。普段朝の番組を聴かないような深夜番組リスナーが、朝の番組にも興味を持ってくれるというのは、実はすごいうれしいです。
――最後に「パンサー向井の#ふらっと」をどんな番組にしていきたいかをお聞かせください。
タイトル通り、本当にふらっと聞いていただきたいですね。今までラジオを聴いたことない方も、「ちょっと聞いてみようかな」っていうきっかけになればいいなとも思います。大沢悠里さんから「朝のラジオはBGMになればいい」というお言葉をいただいたのですが、まさにそういった放送を目指していきたいです。