――2ndソロアルバムを携えてのツアーになりますが、アルバムタイトルもツアータイトルも“All AppreciAte”という言葉が使われています。改めてこのテーマを設けた理由も聞かせてもらえますか。
“All AppreciAte”には「全方位にありがとう」という意味が込められているんですけど、これまで関わってくれた方、そしてこれから関わってくださる方に対して“ありがとう”を今一度しっかり伝えて、新しいことというか、次に向かいたいと思ったんです。そういう温かい時間をしっかりと取りたくて始めたプロジェクトになります。
――全体を包括した言葉だと思いますし、まさに今回のアルバムにもライブにも当てはまりますね。
はい。プロジェクトを掲げてからアルバムの作業を始めたので、今回のアルバムタイトルは『All AppreciAte』にしようと最初から決めていました。
――2ndアルバムになりますが、前作を踏まえて、今回はどんな内容にしようと思って作り始めたんですか?
やっぱりライブを意識しましたね。緩急だったり、お客さんの気持ちいいところを考えたりしました。アウトプットとして、ライブはアーティストに欠かせないものですし、そこで曲が育っていきますから。あとは、いろんな曲のイメージを持ってもらえる色とりどりの楽曲を収めようということを考えました。
――今日のライブでもフラッグ付きのペンライトで、曲に合わせてファンの方が色を変えたりしていて、曲ごとのカラーの違いもすごく伝わってきました。
いろんな日常に寄り添いたいなって思って作ったので、曲ごとに感じる色が違ったり、イメージする場面が違ったりすると思います。ライブでもそんな色とりどりというか、カラフルな景色が見られて、私も嬉しかったです。
――今回のアルバムは、YouTubeチャンネルで「All AppreciAte Project History」というタイトルで制作過程を見ることができましたが、YouTubeやSNSなどのツールをしっかり活用されていますね。
今って、みんなと会えない時間にどんなことをして過ごしているのかが分かったほうが、会えた時の気持ちの高まりが大きかったりするのかなって思うんです。見せないより、見せる時代かなって。まぁ、隠す必要もないですし、お互いがどうやって生きているのかを知ると距離が近づく一歩にもなりますよね。
――さっき、ライブが終わった直後にファンクラブの方に向けて配信もされてましたし。
はい(笑)。会場に来てくれた方も来られなかった方もいると思いますけど、配信とかはやったらやった分だけ、みんなに教えてもらうこともありますし、やっぱりいいなって思います。
――今回もカバー曲以外の曲は宇野さん自身が作詞をされていますが、前作から今作の間で“コロナ禍”を経験されたこともあったりして、作詞や楽曲との向き合い方に変化などは?
確かにコロナ禍というのはいろんな影響があったと思います。でも、コロナ禍で作ったものは、去年リリースしたミニアルバムに入れたりしたので、一周して「音楽とかライブってもっと夢があるものなんじゃないの?」「その力って大きよね」っていうのを思うようになりました。前回のホールツアーはキャパ半分で1日2公演行ったんですけど、コロナ禍でそのライブをやってみたからこそ、そういう気持ちになれましたし、ひとつ乗り越えられたんだと思います。なので、音楽の作り方もちょっとファンタジーなところがあったり、ドラマチックだったり、エモーショナルだったり、そんなふうに感情が振り切れるような音楽づくりを今回のアルバムでは意識しました。
――ミニアルバムと前回のホールツアーによって、ひとつ抜け出すことができて、今はポジティブな気持ちで臨めていると。
そうですね。今日のライブで10月の追加公演(ぴあアリーナMM)も発表して、また楽しみが増えました。ライブハウスでの一体感を絶対に失いたくないと思っていて、追加公演はアリーナになりますけど、アリーナでも本当に一人一人と通じ合ってるんだよ!っていうのを、ライブハウスを踏まえたツアーだからこそ体感してもらいたいですし、追加公演も熱くてあったかい空間にしたいという思いは、まだ漠然とした感じですけどあります。
――ツアー以外にも7月16日の誕生日には東京国際フォーラム ホールAでバースデーイベントの開催も。
6月までZeppを回る全国ツアーがあって、10月にぴあアリーナMMでの追加公演があるので、その間のステップとして、よりみんなが近づいていくような過程が見えるイベントになったらいいなって。素の自分を見せつつ、この日もみんなが参加できるような時間にしたいです。
――ツアーも始まったばかりですが、今後の予定も盛りだくさんということで、いろんな期待を込めて、最後に読者の方にメッセージをお願いします。
はい。ライブでは、皆さんも幸せになってもらえるようなエンターテインメントをみんなで作り上げているので、日常を忘れるような時間を一緒に過ごせたらいいなって思っています。よかったらアリーナに遊びに来てください!
取材・文=田中隆信
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