<正直不動産>ピュア過ぎる不動産営業・福原遥“月下”の過去が明らかに!【試写室】

2022/04/19 08:00 配信

ドラマ レビュー

「カスタマーファースト」な月下咲良は物語の清涼剤に

“月下”福原遥(C)NHK


営業成績がグラフとして社内に公開され、さらにはそれが給料に反映されるなど、「正直不動産」を見ているとシビアに感じられる不動産営業の世界。永瀬の勤める登坂不動産では社内に「花より成約」などというスローガンが貼られており、営業部長は朝礼で「2位じゃだめだ。1位を目指せよ!」「石ころみたいな物件に妖しい光をまとわせ、売りさばいてこそ営業だ」と部下を鼓舞している。

“大河営業部長”長谷川忍(C)NHK


こんな成果至上主義な環境では、「ライアー永瀬」の名を持つ永瀬だけでなく、あの手この手を使って契約を取ろうとしていた桐山(市原隼人)然り、顧客のことよりも「いかに効率的に契約を取れるか」に心を砕くようになるのも仕方ないだろうな、と思えてしまう。

だからこそ、環境に染まらずに顧客の満足度を優先する月下のピュアな姿勢を魅力的に感じずにはいられない。

第1話で「カスタマーファースト」のスローガンを掲げた月下は、その言葉に違わず、初めての一人暮らしだという女の子の物件探しに「自分も住みたい」と思えるレベルの物件を見つけるまで本気で向き合う(結果的にかなり問題のある物件だったのだけれど...)。また、第2話では、永瀬に「月下のやり方は客から見たら100点だけど、会社から見たら0点だから。(中略)いい営業はいかに少ない内見回数で多くの契約をとるかを考える」と指摘されるが、それでもなお、ひどい靴ずれに悩まされるまで笑顔で内見回りをしていた。

カスタマーファーストを追求するがあまりに営業成績万年最下位では元も子もない...と一刀両断してしまえばそれまでのことだが、不器用ながらいつも笑顔な彼女の真っ直ぐな姿勢が「正直不動産」という物語の清涼剤となっていることは間違いないだろう。

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