ローカルアイドルの星・王林「タレントとして活躍したいという気は全くない」夢は本気で青森県知事

タレントとして活躍したいという気は全くない

王林 撮影=曽我美芽


――王林さんはバラエティー番組でのキャラクターが愛されています。青森の発信も含め、今後そこでの活躍はどう考えていますか?

番組に呼んでいただけるのは本当にありがたいです。私がテレビに出て津軽訛りで喋っているだけでも青森のPRになるし、青森の特集までしてくれて。でも、タレントとして活躍したいという気は全くないんですよね。元々青森とりんご娘のことを知ってもらいたいという思いからバラエティーに出ていたので、もっとテレビに出るぞ、とか、そういう気持ちは全然。やっぱり私にとっては青森を広めることがベースにあって、そのためのタレント活動なんですよね。

りんご娘を卒業して所属は東京の事務所に移りました。でも青森には住み続けていて、そこは絶対に譲れない。青森は私の充電場所で、東京に来るとその充電がなくなっていく。青森に帰らないと充電がゼロになってしぼんじゃうんです。だから東京に出て活躍するのと青森の仕事、どっちを取ると言われたら、青森の仕事を選びます。バラエティーもそうだし、活動するためのエネルギーがそこにあるんです。

青森プロデュースの最終目標は「知事になること」


――お話を伺っていると、王林さんはプレイヤーでなく、プロデュース志向が強いのかなと思います。

そうかもしれないです。今若い人たちはどんどん都会に行ってしまうけど、この先絶対、地方と都会が逆転するときがくると思います。そのためにも青森の人たちには青森の魅力に気付いてほしいし、県外の人たちにはもっと青森に来てほしい。

私の最終的な目標は青森県の知事になることで、これ、本気の本気です。もっと大きな立場から青森をプロデュースして、私を育ててくれた青森に恩返しをしたいんです。伝統工芸品だけでなく、お祭り、街並み、食べ物も。そういった青森のプロデュースもそうだし、私のアパレルブランドとスキンケアブランドを作って、それを青森とつなげるという目標も。実選り(みすぐり)で捨てられるりんごを使ったスキンケア商品とか、青森のことを考えていると発想は無限に広がっていきますね。

――フードロス対策とも違う面白いアイデアですね。

あとは山奥でもいいから古民家を買って、風景が素敵なところに観光名所を作りたい。そこで私のプロデュースした商品を販売して、青森の美味しいものを食べてもらって、海外の方には日本の伝統に触れてもらえるし、宿泊もできたら最高じゃないですか。夢というか、目標はたくさんありますね。それこそ、りんご娘とのコラボもできたらいいなと思います。

――りんご娘王林さんたちが卒業されて、新しい4人に引き継がれました。後輩に託したいことはありますか?

りんご娘は2000年に結成されたグループで、メンバーが入れ代わりながら引き継がれてきました。県や市から頂く仕事も多くて、それだけにプレッシャーも大きくありました。自分の代で失速させられないとか。たぶん新しい4人も同じだと思います。特にメンバー全員が入れ替わるって初めてのことだから、プレッシャーを感じるなっていう方が無理ですよね。でも、これからのりんご娘はあなたたちのりんご娘。今の4人だからこその良さが絶対あるし、私たちのりんご娘を引き継ごうと思わなくていいから、青森に愛してもらって、自分たちらしいりんご娘を作ってもらいたいですね。

――最後に、青森のPRをお願いします。

今たくさんお話させていただきましたけど、青森の魅力って、人を幸せにできるというのが一番の魅力だと思います。旅行に行くときって、だいたいどの場所に寄るか予定を立てるじゃないですか。それって合理的だけど、楽しいことがある場所に行くというのに近いと思うんです。でも、青森ってただいるだけで幸せを感じられる場所。四季折々の自然、当たり前にある美味しいもの、人も温かい。遠いかもしれないけど、一度足を運んで青森の空気を吸ってみてください。一回体験したら離れられない魅力が待っています。

王林 撮影=曽我美芽


(取材・文/鈴木康道)

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