――高橋:(アニメ映画「この世界の片隅に」について)どうでした?オファーを受けたときは。
のん:めちゃくちゃうれしかったです。原作を読んで衝撃を受けて。それでクラウドファンディングで集めたお金で作った予告編みたいなのがあって、この原作で、この監督がこういうアニメーションを作るんだとしたら、むちゃくちゃ素敵な作品になるというのが映像からあふれていたので、絶対に私が(主人公の)すずさんをやりたいって。オーディションだったので、絶対勝ち取るという思いでスタジオに行きました。
公開されてすごくたくさんの方が見てくださって。舞台あいさつをしているとき、映画を送り出す側と見てくださる人の思いがすごく通じ合っている感じがあったんです。映画ってこんなに威力があるんだって、思い知りました。
――高橋:口コミでジワジワ、うわぁ~って(広がって)いった感じがしたもんね。
のん:そうですね。最初は本当に10何館からはじまって、60何館になって、ロングランになって、大きな映画館とかでもかかるようになって。その道のりを体験しました。これから役者をやっていく上で、めちゃくちゃ忘れられない作品だなって思います。
片渕(須直)監督が本当に真摯な方で、映画づくりにも、映画を見てくれる人に対しても、すごくまっすぐで。見てもらうためにだったりとか、映画をよくするために手段を選ばないというか。「そんなに修正するの?」っていうくらい。上映がされたあとに映画を直したりとか。
――高橋:直してるの!?
のん:それもすごく巧妙というか。
――高橋:巧妙?(笑)
のん:時代考証で、この包丁の形じゃなかったみたいだから、直したので気になる方はまた見に来てくださいと。
――高橋:巧妙~!行きたなるもん