広瀬すず、大切にしている言葉「頑張らないでね。でも、頑張ってね」で新社会人にエール

2022/05/08 21:36 配信

映画 会見

広瀬すず、松坂桃李撮影:田中隆信

希望の仕事じゃなくても「いい意味で割り切ったマインドで」


次の質問は、「まだ配属先は決まってないけど、希望の配属先に行けなかった時、どんな気持ちで取り組めばいいですか?」という、まさにこの時期ならではのリアルな内容。

松坂は「部署じゃないけど、『この作品やりたいな』と思っていたけど、できずに別の作品が決まったとして、僕の場合、その作品をやったからこそ、後に自分がやりたいと思うタイプの作品につながったという部分があるので、それは自分にとっての最善の最短ルートだったのかなって思うんです。もし、希望の部署じゃなくても、いい意味での割り切ったマインドで挑んでほしい」と回答。

広瀬も「その瞬間は答えが出ないかもしれないけど、後々、運命とかタイミングとかで、私もすてきな作品と出会うことがありました。なので、目の前のことに必死でしがみついていくと、私もその期間が長かった方ですけど、何年かたってから“良かったな”とか“私にはこれしかなかったな”とか思えるようになったり実感する機会が増えると思います。それまでは楽しいことを息抜きでしながら、神様が“こっちの方が向いてるよ”って言ってくれてると心の中で感じながらやっていくのもいいと思います」と伝えた。

広瀬すず「勝つまでやろう!」


最後の質問は「俳優という職業をされていますが、『なんでこの仕事をやっているんだろう?』とか、人生の中で考える瞬間がありますか? 何を考え、どう前を向いて進んで来られましたか?」。

その問いに対して広瀬は、「言い方は悪いんですけど、私は“この仕事をしたくて!したくて!”っていうよりも、先にお姉ちゃんがやっていたので、後ろをついていったという感覚が強かったので、やり始めた時は、『いつ辞めれるのかな?』って思っていました。お仕事に対する強い思いは正直あったわけではないんですけど、“今辞めても私には何も残ってない”と思ったり、周りと比べて、できないことがあったり、中途半端だったりするのが悔しいから“勝つまでやろう!”って。“気合い”でした(笑)」という経験談を真剣な表情で伝えた。

そして、「“悔しい”もありますけど、続けてきたことで情が動いている部分もあって、すごい方が上にはいっぱいいらっしゃるので、いくらやっても満足はしないけど、“大切にしたいな”っていう考えに変わってきました。今はそれでもいいのかなって思ったりしちゃったり、しちゃっています(笑)」と笑顔も見せた。

松坂は「若いころからちょっとずつ自分のモチベーションが変わってきた」と答えた。「『事務所のために頑張ります!』『トップコートから来ました松坂桃李です!』みたいなところから始めたんですけど、いろんな先輩の活躍を見て、自分もエンターテインメントに貢献したいと思うようになりました。そうすると、視界というか、目線が近くなって、現場の人たちの表情が見えてくるんです。例えば、『本日、「流浪の月」クランクアップです!』っていう時に、現場の皆さんの顔を見て、“やってよかったな”って思えたりして。今は、そういう人たちと、その表情、その空気を共有するために作品をやり続けているのかもしれないです。僕も段々と分かってきたので、焦らなくていいですよ」と優しくアドバイスを送った。

松坂桃李「言葉を交わすって重要」


質疑応答が終わった後、松坂が「皆さんとのすてきな時間、すごく有意義な時間でした。言葉を交わすって重要だなって思いました。コロナの影響で劇場での舞台あいさつができない時期がありましたが、少しずつ緩和されて直接やりとりできる幸せを改めて今日実感しました。ありがとうございます。『流浪の月』がどう届いているかは、SNSでハッシュタグをつけて、それぞれの解釈でいいので感想を添えてください。皆さんなりに『流浪の月』を完成させていただけたらうれしいです。本日はありがとうございました」とアピール。

広瀬も「すごくいい会ですね。皆さんの考えとかが分かり、同世代として勇気をもらいましたし、応援したいな!って思いました。更紗と文(広瀬と松坂の役名)みたいに、強くたくましく、粘り強く頑張ってほしいと思います。映画ももうちょっとで公開になりますので、皆さんで一杯一杯広めていただいて、私もSNSで(感想を)見ます! ぜひ、広めてください。本日はありがとうございました」とメッセージを届けて締めくくった。

映画「流浪の月」は5月13日(金)より全国公開。

◆取材・文=田中隆信

関連番組

関連人物