「クリエイターズ・ファイル」#84 史上もっとも肥えたミイラ・ロイペル12世

4200年前に栄えた肥満国、キナペリア王朝のミステリーに迫る撮影=藤原江理奈/(C)クリエイターズ・ファイル

ロバート秋山竜次扮(ふん)する最先端のクリエイターに迫る「クリエイターズ・ファイル」。今回は、約4200年前に栄華を極めたキナペリア王朝で絶対的権力を誇ったと言われているロイペル12世のミイラが登場。驚くべき古代の謎が明かされる――!?

本邦初公開!肥え太ったミイラたち


相次いだ歴史的発見の総決算として開催された「キナペリア王朝 大ミイラ展」。その見どころは、何といっても王朝の繁栄と没落を体現したミイラの展示だろう。特にロイペル12世のミイラは「大肥満王」といわれた威厳ある姿を今にとどめている。はたして、4200年前にどのような食生活を送っていたのだろうか?

ここまできれいに全身の形が残った状態で発見されたミイラは世界でも珍しい例だという。足は29cmもあり驚くほどの扁平足だったことも分かる撮影=藤原江理奈/(C)クリエイターズ・ファイル


徹底解剖!キナペリア王朝のミステリー


BC2300年頃、クナペリア王朝を倒して成立したキナペリア王朝は、さらに一つ前のレスペリア王朝からの影響も色濃く受けていると言われている。

発掘されたものから、推定体重は100kg、アルコール類は摂取していなかったと推測される。胃からは薬草やスパイスを調合した炭酸飲料、髪、顔、身体、全ての部位から椿油のような成分が検出されており、コスメは一つにまとめていたのではないかとへリック教授(バースティ大学医学部)は分析する。

“大肥満王”ロイペル12世のミイラが本邦初公開撮影=藤原江理奈/(C)クリエイターズ・ファイル

ロイペル12世は生前に、尿管結石を患っていたことが分かった。またそれをネックレスにした装飾品も発見されている。へリック教授は、胃の中の内容物を分析し、仮説だが、ラングドシャやバウムクーヘン、チョコモナカ、ワンポンド相当の牛タンや牛肉など、高カロリーな食物を摂取していたのではないかと報告した撮影=藤原江理奈/(C)クリエイターズ・ファイル


関連人物