コムドットやまと「YouTubeだけに限定したら終わっていく」“テレビ進出”も見据える今後の戦略

“嫌い=興味”の持論…嫌われることは「まったく怖くない」

コムドットやまと ※提供写真


――20年12月に「全YouTuberに告ぐ コムドットが通るから道をあけろ」というツイートがバズった時は「すごい尖った人が出てきたな」と思いました。それ以降も、Twitterではエッジの効いたメッセージを発信することが多いですが、その理由をお聞かせください。

僕にとってTwitterは、嫌われることを目的としたツールなんです。

――なぜあえて嫌われようとするのでしょうか。

「興味がない」というフェーズから、「嫌われる」というフェーズに来ると、次は「好きになる」というフェーズが残っているからです。無関心から好きになってもらうことが一番難しい。だから、嫌いにさせて興味を持ってもらってから、どこかで印象を変えられればいいと考えているんです。結局、「嫌い」は「興味」なので。その嫌いというフェーズの人たちを集めることに関して、Twitterは非常に効果的なツールなんです。

――嫌われることは怖くないのでしょうか。

まったく怖くないです。表に立つ職業なので、僕にとって興味を持たれないことが一番怖い。仮に一般的な仕事していたら嫌われるのは嫌だと思いますよ、ストレス溜まりますし(笑)。だけど、目的があるから、嫌われることは苦になりません。

――講演会では「死ぬ思いでやっていた」とも話していましたが、それほどまでに強い思いでYouTubeと向き合う理由を聞かせてください。

去年炎上騒ぎを起こし、チャンネル登録者数の伸びが目に見えて止まった時期がありました。悪かったのは間違いなく僕たちなんですけど、必要以上に叩かれたりもして。このまま力を失っていったり、YouTuberをやめたりしたら、ファンの方たちに「やっぱり失敗するのは怖い」と印象付けてしまう気がしたんです。それはダサいなと思って。

苦しい状況を打破することで「失敗してもすぐ立ち直れる。だから挑戦しないことが一番まずい」ということを身をもって伝えたくて、「年内チャンネル登録者数300万人」という目標を絶対に達成したかったんです。だからその一心で、死ぬほど働きました。

コムドットの“日本を獲る”戦略「YouTubeだけに限定したら終わる」テレビ進出も見据える


――コムドットは度々、「日本を獲る」と目標を公言しています。「日本を獲る」とは具体的にどんなイメージでしょうか。

僕たちはYouTuberとして活動開始した当初から、「日本を獲る」と宣言しているんです。最近では、ご質問いただいたように「どういうふうに日本一になるのか」と聞かれる機会が増えてきて、僕自身、「日本を獲る」って何だろうと改めて考えていて。

たとえば、日本一のチャンネル登録者を持つYouTuberだったらHIKAKINさんがいるし、再生回数日本一であれば、また別の方がいるはず。じゃあ、日本一のグループは誰かとなったら、おそらくYouTuberではなく、芸能界で長く活躍されてきた国民的なアイドルグループの名前が挙げられると思うんです。そういう人たちは、別に「CDを何枚売り上げたから日本一」というわけじゃなくて、数字以上の価値がありますよね。なので、世の中の大多数から感覚的に「この人たちは日本を代表するに相応しいグループ」であると数字や業界を超えて認識され、「みんなが憧れる5人組」になることが日本を獲るということだと思っています。

――今は若い世代中心に認知されていますが、いずれは全世代が知っているお馴染みの存在になりたいということでしょうか。

そうですね。やはり、視聴者層を広げていきたいというのはあります。たしかに、現段階で僕らのYouTubeを見てくれている方は、高校生や大学生、社会人1~3年目ぐらいの若い方が中心です。でも、たとえばテレビに出演することによって新たな大人の視聴者を獲得し、YouTubeに還元するということをやれば、幅広い層に愛されるグループになるのかなと考えています。

活動の幅をYouTubeだけに限定したら、多分このまま終わっていくと思っていて。色々なメディアに出て自分たちの存在をアピールすることが、ゆくゆくは日本を獲ることに繋がってくると信じ、今行動しているところです。

――では、今後はテレビ進出も考えていると。

はい。媚びるわけではありませんが、ぜひぜひという感じです(笑)。というのも、YouTubeからテレビに還元できることもあると僕たちは考えています。「今はテレビよりもYouTubeの時代だ」なんて言う人もいますけど、そんなこともなくて、共存できると思っていて。YouTubeだから見せられる魅力もあれば、テレビだからこそ見せられる魅力もある。その切り替えがうまい人はどちらでも活躍できるはずで、僕たちはそういうグループになっていきたいと思っています。

文=こじへい

関連人物