以降、第3話は不動産トラブルからの殺人、第4話は小説による殺人教唆、第5話は交換殺人、第6話は密室殺人、第7話は痴漢えん罪や後妻業の遺産トラブルなど3案件と、1話完結で物語が繰り広げられた。
「お金にならない仕事はしない」と常々宣言する麗子。いずれの案件も、事件解決後に大金を稼げる顧問弁護士の座を狙う目的で引き受けるという、清々しいほどのお金至上主義。その目的のために、鋭い観察力で事件を解決していく。ただ結局、これまで本来の狙いをが叶えられていないのだが、一つ一つに真摯に向き合っているのが見て取れるのがいい。
一方、“バディ”の篠田はというと、ミステリー小説家を目指していることもあり、アガサ・クリスティなど有名な小説を引き合いに出してヒントを得ようとする。それは視聴者にミステリードラマとしての視点を導く…はずなのだが、小説家の夢が叶えられていないゆえんか、ミスリードになったり、的が外れていたり。ただ、それもミステリーとしての面白さだ。
頭がキレる麗子との凸凹ぶりがいいし、強気な麗子に振り回されるところもクスっと笑える。また食べることが大好きな麗子にとって、料理が得意な篠田の存在は役に立っているともいえる。ちなみに、麗子が豪快に食べるシーンはSNSで「飯テロドラマ」という声も上がるほど、本作の魅力の一つだ。
しかし、そもそもなぜ栄治は篠田のことを麗子に頼んだのか。篠田は何者なのか。栄治の大学のサークルの先輩のはずだが、麗子は覚えていなかった。回が進むごとに、その疑問が浮き彫りになっていった。大泉のどこか抑えたような演技が、この謎を視聴者の脳裏に植え付けることに成功していたように思う。
第4話では篠田が大学に行っていないことが、第6話では身辺調査で本物の”篠田”が亡くなっていることが判明。そして、第7話ラストでは篠田が「殺人犯」だと衝撃の告白をした。
各事件の解決には警察も関わるが、警視庁捜査一課の刑事・橘(勝村政信)、松田(古屋呂敏)のいる場面で篠田が姿を見せていなかったのも、これが理由だったのだ。
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