数々の事件が描かれていくうちに、麗子と篠田のキャラクターに厚みが出てきた。凛々しく前に突き進む麗子と、おだやかに麗子をサポートする篠田。第7話では麗子が元上司の津々井(浅野和之)に、篠田は“雑用係”ではなく“助手”だとはっきりと告げるシーンがあった。麗子がバディとして認めた証だ。
そんな麗子が篠田の真相にどう向き合っていくのかが、これからクライマックスへと向かう物語の見どころとなる。篠田が本物の“篠田”ではないことを知っていたはずの、栄治の遺言の本当の意味とは…。
第6話の大学時代の回想シーンで、麗子の弁護士としての矜持が明らかになった。栄治に弁護士を目指すきっかけを問われた麗子は「もちろん儲かるからよ。でも理由はそれだけじゃない。どんな悪党でも聖者でも金持ちでも貧乏人でも、測るのは法律という同じ物差し。そこが好きなの。そして私は絶対に負けない」と答えた。ただ、そこには条件があり、依頼人との間にうそがないことだ。「うそをついたら勝負に勝てないから」。
もとは依頼人として出会った篠田の“うそ”に、麗子はどう対応するのだろうか。
内外に敵も多かった麗子の周りに集まって来た人物たちとのやり取りも面白さを増している。麗子に時につっかかるが実力は認めている津々井、亡き栄治の従姉妹で、財力と行動力を生かして麗子たちの手伝いをする紗英(関水渚)、第3話で依頼者となって以来、付き合いが続いているホストの黒丑(望月歩)。第7話では彼らとのテンポのいい会話劇が話題になったように、彼らの存在は物語の奥行きになっている。
TVerとFODでは、第8話の放送直前となる5月30日(月)夜9時まで、第1話~第7話を一挙見逃し配信中だ。麗子と篠田の関係性を確認しながら、今後の展開を考察して次回放送を楽しみに待ちたい。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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