――原作のアニメーション映画を最初に見た印象はいかがでしたか?
細田(守)監督の前作「おおかみこどもの雨と雪」が大好きだったので、「バケモノの子」も公開されてすぐに拝見しました。そのときはまだミュージカル化のことは念頭になかったのですが、とてもダイナミックで圧倒されたことを覚えています。
――ミュージカル化に際し、どんなことを意識しましたか?
まず、舞台ならではの魅力がないと、舞台化の意味がないだろうと思いました。でも、原作アニメが非常にしっかりした骨格の話なので、ミュージカルにはしやすかったですね。映画の魅力は損なわず、舞台ならではの楽しさもある作品を目指しました。
――この作品では、“父と子”の成長が描かれています。
「バケモノの子」は、バケモノである熊徹と人間の蓮が、違いを受け入れて理解し合い、心が結びついていくという物語ですが、バケモノの世界には、熊徹だけでなく、たくさんの師匠がいます。少年の蓮がバケモノたちから掃除・洗濯・料理を教わる「修行」のシーンも、蓮を見守り育て、成長を喜ぶ人たちがたくさんいることを表現したナンバーです。自分と血が繋がっていなくても、子どもたちが夢を追って生きていきやすい社会を作っていくのが、大人たちのやらなければいけないことなのだと、この舞台を観て感じていただければありがたいです。
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