おおのこうすけ原作の同名漫画を実写化し、2020年に連続ドラマとして放送された「極主夫道」(日本テレビ系)が、映画「極主夫道 ザ・シネマ」となってスクリーンに登場。6月3日から全国で公開されている。裏社会に数々の伝説を残した最凶の極道“不死身の龍”が極道の世界から足を洗い専業主夫に。コワモテながらチャーミングな魅力を兼ね備える“不死身の龍”こと龍を玉木宏が、その妻・美久を川口春奈が、ドラマに引き続き演じている。公開直前に二人にインタビューを実施。作品の見どころはもちろん、一児の父親でもある玉木のプライベートな一面や、川口が挑んだシュールなアクションシーンの裏話、2014年公開の映画「幕末高校生」での共演から時を経て相性抜群の夫婦役となった互いの印象なども語ってもらった。
――今作が映画になると聞いた時の心境から教えていただけますか。
玉木:映画になるとは思っていなかったので、「まさか」という感じです。ホームコメディー的な要素がある作品なので、映画のスクリーンに映るとなると「どんな内容になるんだろう?」と思いましたが、台本を読んだらスケールも大きくなっていました。吉田鋼太郎さんや安達祐実さん、松本まりかさんなど新たに出演いただく方々も豪華なので、強い画になるんだろうなと想像していました。
川口:私も驚きましたが、皆さんとまた「極主夫道」の撮影ができることに対する純粋な喜びも大きかったです。ドラマの時から本当に楽しくやらせていただいていたので、チームで作った世界観を、映画として皆さんに見ていただけることがすごくうれしかったです。
――ドラマから今回の映画まで、撮影期間が空いたことで苦労などはありましたか?
玉木:1年くらい空いたんですが、ドラマの時に僕は体を作っていたので、また同じようにトレーニングをしなくては、とは思いました。1年空いてまた体を作るのはなかなか大変でした。
川口:私は特にないです(笑)。この1年の間も他の仕事をしていて、体感としてはすごくあっという間でした。ドラマが終わってすぐに映画みたいな。撮影チームも同じで、ゲストの方はいらっしゃるけどキャストも一緒なので、自然と美久になれたかなと思います。
――同じスタッフで映画を作ることで演じやすい部分もあったんですね。
玉木:そうですね。昔は(同じ作品でも)ドラマと映画でスタッフが違うこともありましたが、今回の作品はみんな一緒なので、やはり安心感がありました。
――撮影で印象に残っていることは何かありますか?
玉木:アクションが終わったらまたアクションと、「こんなにアクションあったっけな?」というくらい、イベントが多かった印象です。一難去ってまた一難というか(笑)、ハードでしたね。
――車にぶら下がるアクションもド派手でした。
玉木:カーアクションに関しては、やっぱり安全第一に撮影を進めるので、一気に撮影せずに細かく撮り分けていくんです。日中しかできないので、カーアクションだけで3日間、時間をかけて撮影しました。
――迫力と同時にワチャワチャ感もあるシーンでしたが、実際の現場では緊張感のある撮影だったんですね。
玉木:当然、事故があってはいけないので、緊張感を持ちつつやっていました。カーアクションに限らず、アクションはけがをしてしまったら元も子もないので、そこは丁寧に臨みました。
――今作は他の作品でのアクションシーンとは違って、コメディー要素も絶妙に混じる印象があります。
玉木:監督のイメージは、アクションの純粋な格好良さも欲しいけど、ジャッキー・チェンの映画ような、「派手に見えるんだけど、どこか笑ってしまう感じを取り入れたい」ということだったので、きれいなアクションだけでなく、がむしゃらに戦っている様子がこの作品の特徴なのではないかなと思います。当然緊張感はあるけど「やっぱりアクションって面白いな」と思いながらやっていました。
――川口さんは、松本さんやMEGUMIさんと“空中戦”を繰り広げていましたね。ワイヤーアクションになるのでしょうか?
川口:そうですね。今までもワイヤーの経験はあるんですけど、今回の撮影はすごくシュールでした。玉木さんのカーアクションは3日かかったとおっしゃっていましたが、私たちのシーンはグリーンバックで10分くらい(笑)。本当にくだらなくて笑えました。女性陣で頑張りました。
――完成した映像を見ていかがでしたか?
川口:字面だけじゃ想像がつかないので、見てみないと分からないですよね。CGですごいなと思いましたけど、やっぱり玉木さんの格好良いアクションと比べると、こちらの空中戦は「なんか雑だな」と思いました(笑)。
玉木:それも味だよね(笑)。