初回、第2回はその学生寮に25年ぶりに訪問するロケ。平子が住んでいた潮(うしお)学生寮は、いわき市教育委員会が運営するいわき市出身学生向けの寮で、あの元テレビ東京・佐久間宣行プロデューサーもかつて住んだ場所である。
かつて住んだ部屋に入り過去を懐かしんでいると、昔のルームメイトからの手紙が来る展開に「エモ!」と唸るアルピーの2人。コロナでなかなか機会がないので大学4年生の子のために送別会を開いてほしいとアルピーにお願いする寮長さんの裏では、この機会に寮長さん寮母さんに感謝の気持ちを伝えたいという4年生。
最後は心のこもった寮生荒川君のサプライズ手紙に、涙を流す寮長さん。普段ラジオなどでは嘘とも本当ともつかないことばかり話しているアルピーの新番組は、意外にもハートフルでエモい番組であった。
第3回、第4回は酒井の思い出の地。川崎球場。かつては大洋ホエールズやロッテオリオンズの本拠地として知られ、伝説のダブルヘッダー10.19近鉄-ロッテの舞台となった場所でもある。今はサッカーやラグビーを中心とした用途に改装され「富士通スタジアム川崎」となっているが、かつての球場の遺跡があちこちに残っている。
当時のまま残っている野球場時代の外野フェンス近辺は、広告の文字が何度も上塗りで書かれていたため、逆に今、風化が進むにつれて地層のように古い文字が出てくるというから驚きだ。残念ながら老朽化で取り壊しが決まっているが、スタジアムを照らす照明もかつてのまま。それらのノスタルジックな遺跡群に「エモ!」と叫ぶアルピーの2人。ずいぶんエモエモ言う番組である。
第5回以後は神奈川県内の視聴者からの感謝を伝えたいリクエストに応え、プロ野球選手時代の恩師にお礼を言いに行ったり、震災時の台湾の義援金が縁でスタートした中華街の台湾料理店に行ったりしたアルピー。ロケ巧者で経験豊富な2人らしく、依頼者をうまく立てたり落としたりしてキャラクターを引き出しているが、「感謝」がテーマなこともあって、意外にも毎回、感動着地なのが面白い。さんざんふざけているくせに、依頼者が感動的な手紙を読むと、すごくいい番組のように見えるのがちょっとずるい。
最近は、キー局含め新番組が目白押しのアルコ&ピース。長く一線にいるので「ブレイク」というのも申し訳ないが、一段ギアが上がった感じの活躍ぶりである。視聴者依頼という縛りはあるものの、自由にそれぞれのキャラを出せている「ほんきも」は、彼らにとっても大事な場所となるだろう。
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