YouTube先行公開で200万再生、テレ東ホラードラマ『何かおかしい』Pが語る「テレビの型そのものを疑う」番組の作り方

テレ東ドラマ「何かおかしい」原案を手掛ける雨穴氏(C)テレビ東京

5月31日より、ドラマ「何かおかしい」(毎週火曜深夜0:30-1:00、テレビ東京ほか)が放送中だ。チャンネル登録者数60万人、著書「変な家」が30万部を超える大ヒットとなったことでも話題のホラー系YouTuber・雨穴氏を原案に迎え、「一番怖いのは人間だった!リアルタイム進行型ヒューマンホラードラマ」と題する本作は、とあるラジオ番組の生放送ブースを舞台とした実話風ドラマ。全6話のうち前半3話をYouTubeで先行公開し、合計再生回数が200万回を超えるなど大反響を集めている。番組プロデューサー・太田勇氏にインタビューを行い、テレビドラマとしては型破りな本作の背景に迫ると「テレビの型そのものを疑う」という発想の秘訣が飛び出した。また原案・雨穴氏からもメールでコメントが届いた。

登場人物たちも「何かおかしい」ドラマ


何かおかしい」の舞台は架空のラジオ局・ラジオ東京。構成作家の花岡をはじめ、昼の生放送帯番組「オビナマワイド」スタッフたちが、生放送中に「何かおかしい」出来事に出会うことから、毎回恐ろしい事件が繰り広げられていく。

花岡を演じるのは「恋せぬふたり」(NHK総合)のカズくん役も話題を集めた濱正悟。1話ではごく普通の青年に見える彼だが、物語が進むにつれ、その奥の異常性が垣間見え始める。キャラクターたちにも、タイトルの「何かおかしい」が当てはまるのだと太田Pは語る。

放送作家・花岡(濱正悟)(C)テレビ東京

「一見普通にコミュニケーションが取れる人に見せて、接してみたら『この人ズレてるな』というのがだんだん出てくるようにしたかった。現実の人間関係でも、普段は普通に挨拶して会話できるのに、変なところで全くかみ合わなくて、相手のおかしさに気づくことがあると思うんです。その方が怖さが表現できると思いました。劇中で雨穴さんのセリフにもある通り、ずっと笑ってる人って、よくよく考えたら一番怖いんですよ」

花岡や「オビナマワイド」ディレクターの五十嵐(今井隆文)、中継スタッフ・小野寺(樋口日奈)らは役としての登場だが、番組MC役のヒャダインや藤森慎吾、小手伸也、アシスタント役の岡田結実、山之内すず、香音らは本人としての登場だ。また作中には雨穴氏もストーリーテラーとして出演している。

「何かおかしい」より、本人役で出演する藤森慎吾(C)テレビ東京

「雨穴さんのYouTubeは雨穴さん自身が出ることで成立しているので、ドラマにも出てもらいたい。実在のYouTuberである雨穴さんをドラマに馴染ませるために、モキュメンタリー風にして、本人役として出演する人と、役として出演する人が両方存在するようにしました。オリラジの藤森さんなんかは、元々雨穴さんのYouTubeが好きだったそうです」

なおドラマのエンディングでは三浦透子が歌う「intersolid」に合わせ、「巨大な植物が呼吸をしている姿をイメージした」という自ら振り付けたダンスを披露している雨穴氏。これは、実はホラーが苦手な太田Pが、「怖いけれどかわいらしいパッケージ」にするために考えた工夫だという。

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