小宮有紗、マルチな活動が自身の糧に「仕事って全てがつながっている」

映画「漆黒天 -終の語り-」でヒロインを務める小宮有紗撮影=入江達也

6月24日(金)公開のミステリー時代劇映画「漆黒天 -終の語り-」でヒロイン・喜多を演じる小宮有紗。若手俳優の登竜門と呼ばれるスーパー戦隊シリーズの1つ「特命戦隊ゴーバスターズ」でのイエローバスター役に抜擢されたのが2012年、18歳のとき。以来、映画、ドラマ、舞台で多くの作品に出演し、2015年にはアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」のキャストオーディションで黒澤ダイヤ役に合格。声優の世界にも踏み出した。「ラブライブ!!」の劇中ユニットAqours(アクア)のメンバーとしてライブツアーもこなし、現在はアニソンDJとしても活躍の場を持っている。ジャンルをまたぎつつも、「全てのことがつながっている」と話す彼女のキャリア、今も貪欲にチャレンジし続ける仕事への向き合い方に迫った。

「漆黒天 -終の語り-」で演じる町娘・喜多は自分らしい陽キャラ


――6月24日公開のミステリー時代劇映画「漆黒天 -終の語り-」では、町娘の喜多という役で出演します。どんな役どころでしょう?

喜多はお転婆というか、江戸っ子な女の子。かなり重い物語なんですけど、喜多は明るく元気で、「この子はいつも楽しそうだな~」っていう陽キャラです(笑)。私も似たところがあるので、作り込まず、自然体でお芝居ができました。着物を着て髪を結ってという、Aqoursのライブとは違う私を見てほしいですね。

――映画の見どころを挙げるとしたら?

それはもう殺陣ですね。主演の荒木宏文さんをはじめ、皆さん、殺陣が素晴らしく格好良いんですよ。スピード感がすごくて、お芝居も素敵で、試写を観たときは圧倒されました。時間は80分ちょっと。長くはないですけど、その分飽きずに最後まで観てもらえる映画です。宣伝文句でなく、ガチでリピートしてもらいたいです。

――二度目のときは、どんなところに注目するとより楽しめますか?

ネタバレになるのであまり言えないですけど…普通はまず、ストーリーをじっくり観ますよね。そうすると人物の表情や動き、シーンとか、「あれ?」って思う箇所がかなり細かく出てくると思います。で、それからもう一度観ると「なるほどね~」って。答え合わせではないけど、そういう面白さもある作品です。

小宮有紗撮影=入江達也


声優業に飛び込んだら、まさかのライブ活動も


――俳優から始まり、声優、アニソンDJと活躍のジャンルがどんどん広がっています。この仕事の広がり、ご自身ではどう感じていますか?

きっかけは「ゴーバスターズ」でした。そこで1年間、藤原啓治さん、玄田哲章さん、中村悠一さんといった素晴らしい声優さんたちと一緒にアフレコをして、私も声のお芝居に挑戦したいという気持ちが芽生えたんです(※戦隊ものでは変身後の声入れのため、後日アフレコを行う)。声だけでこんなにも素敵な表現ができるようになれたらお芝居の幅も広がって、もっと楽しい世界が開けるかもって。

その勢いで「ラブライブ!サンシャイン!!」のオーディションを受けて、黒澤ダイヤ役に決まって喜んでいたら、ライブというもっと新しいものが付いてきて。私は声のお仕事という一点しか見ていなかったので、受かって気付くまさかのオプションですよ(笑)。

――Aqoursの活動ですね。ライブはウェルカムでしたか?

全然(笑)。私、別に歌が得意なわけではないし、舞台ともまた違うからどうしたらいいのかなって、最初はやっぱり戸惑いはありました。でも、あるときから黒澤ダイヤとしてステージに立つということは、役として舞台に立つ、カメラの前に立つということと根本的には変わらないんだと気付いたんです。

それに皆さん、ライブの日を楽しみにして、学校やお仕事を頑張って、やっと来てくれるわけじゃないですか。そう考えたら、まず私自身がライブを楽しまないとダメだと思ったんですよ。自分が楽しめていないのにお客さんを楽しませるなんてできるわけがないし、そう思ったらだんだん心の持ちようが変わってきて、自然にパフォーマンスも良くなって、もっとレベルアップできるという気持ちも湧いてきたんですよね。今はめちゃくちゃ楽しんで、弾けまくっています。

小宮有紗撮影=入江達也


――声優は俗にいう“中の人”。「ラブライブ!」という大きい看板、Aqoursの黒澤ダイヤというのが重荷になることはありませんか?

全くないですね。黒澤ダイヤを通しての私だとしても、あくまで私は私。もちろん役のイメージを壊すような振る舞いはしませんけど、ガチガチに固めるのも違うなと思っていて、いい意味で頑張りすぎないようにしています。それにもう演じて7年になるし、私が彼女の一番の理解者だという気持ちですね。

――俳優にはない、アイドル的な活動はどうですか?

めっちゃ楽しいですよ!だって、Aqoursがあるから東京ドームにも立てるんですよ。最高じゃないですか。