6月6日から28日(火)までBunkamuraシアターコクーンで上演している野田秀樹作・杉原邦生演出による舞台『パンドラの鐘』のライブ配信の実施が決定した。同舞台は、蜷川幸雄の依頼で1999年に野田秀樹の手によって産み落とされ、演劇界の二大巨頭が、同時期に演出を手掛けたことで話題となった超大作。蜷川幸雄の七回忌を迎える今年、23年の時を経て「NINAGAWA MEMORIAL」と冠し、シアターコクーンでよみがえる。
数々の蜷川作品に影響を受け、アングラ、シェイクスピア、海外戯曲、歌舞伎に至るまでさまざまなジャンルの作品を手掛けている、新世代の演劇界を担う気鋭の若手演出家の杉原邦生が、この歴史的大作に挑戦。さらに、舞台初出演ながら初主演を務める成田凌と、舞台にも精力的に出演を続けている葵わかなら、多彩な出演者・スタッフが集結した舞台となっており、ライブ配信で鑑賞できる貴重な機会は見逃せない。
太平洋戦争開戦前夜の長崎。ピンカートン財団による古代遺跡の発掘作業が行われている。考古学者カナクギ教授の助手オズは、土深く埋もれていた数々の発掘物から、遠く忘れ去られていた古代王国の姿を、鮮やかに描き出していく。
王の葬儀が行われている古代王国では、兄の狂王を幽閉し、妹ヒメ女が王位を継ごうとしている。従者たちは、棺桶と一緒に葬式屋も埋葬しようとするが、ヒメ女はその中の一人ミズヲに魅かれ、命を助ける。ヒメ女の王国は栄え、各国からの略奪品が運び込まれる。あるとき、ミズヲは異国の都市で掘り出した巨大な鐘を、ヒメ女のもとへ持ち帰るが…。
決して覗いてはならなかった「パンドラの鐘」に記された、王国滅亡の秘密とは?そして、古代の閃光の中に浮かび上がった“未来”の行方とは。
古代から現代へ、遥かなる時空を超えて壮大なスケールで描かれた本作は、「挑戦に満ちた非常に面白い本」と蜷川が語った通り、日本の歴史のタブーに真っ向から挑んだ衝撃作。世紀を超えてもなお色褪せないメッセージは、新演出により現代を生きる人々に届くはずだ。
『パンドラの鐘』の上演・ライブ配信にあたって広報担当者は以下のようにコメントを寄せている。
「23年の時を経ても色褪せず、今この時代だからこそ響くこの歴史的大作を、次世代の演劇界を担う気鋭の演出家・杉原邦生と成田凌、葵わかなをはじめとする多彩な出演者が現代によみがえらせます。1999年上演版をご覧になった方も、今回初めて『パンドラの鐘』を観る方にもお楽しみいただけるはずです。また、多彩な出演者の迫真の演技だけではなく、道成寺のモチーフをふんだんに使った美術や、現代・古代ともに個性豊かな衣裳、ドラマチックな劇伴など、多方面で活躍するクリエイター陣のスタッフワークにもご注目ください。現代と古代、時空を超えて壮大なスケールで描かれる衝撃作を劇場だけでなくお家でもお楽しみいただけます。どうぞお見逃しなく!」
ライブ配信は「Bunkamura STREAMING」 にて6月22日(水)夜6時から。アーカイブ配信は6月23日(木)から26日(日)の夜11時59分までを予定。配信チケットは、オンラインチケットMY Bunkamuraサイトで6月26日(日)夜9時まで販売している。
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