陳内将&赤澤燈、「エーステ」夏組は「友達を超えた感覚」…熱く語り合う4年の歴史とこれから

2022/06/24 20:00 配信

2.5次元 インタビュー

シリーズものは、前作を超えなければならない難しさがある


――お2人は「エーステ」も含むシリーズものの作品にも多く出演されていますが、舞台でシリーズものを上演する面白さと難しさは、それぞれ何だと思いますか?

赤澤:面白さの一つは成長です。たとえば一成って元々お芝居をやっていた人じゃないから、最初は葛藤があったんですよ。「ここはやり過ぎない方がいいのかな」「感情表現し過ぎると、赤澤燈になっちゃうかな」って。でも公演を重ねるにつれて、一成の演技の幅を広げてもいいなと思えたから、第三回公演では敵役として思い切って低いところで演じて。そういうチャレンジができるようになっていくのは面白いところです。

――これまでの積み重ねを踏まえてキャラクターを表現できるということですね。

陳内:役の解釈もどんどん深まっていきますし、それをお客さまと共有し続けていけるのは喜びですね。何度も同じ役を演じられることって、そうそうあることでもないですし。でも、第1作で命を込めて作った過程がある分、その次も同じくらい魂を注いでいるはずなんですけど、作り上げる工程は減ってしまうから、「あれ、これでいいんだっけ?」と不安を感じることもあります。

赤澤:それは確かに難しさかも!前作を超えたいと思うのが役者だし、超えなきゃいけないんですけど、難しくて。毎回すごく楽しみにして新作の稽古に入るのに、「あれ?僕らってこんな感じだっけ?」って、いつも話します。

陳内:なるよね。

赤澤:「もっと夏組っぽくできてたよね?」みたいな。毎回その壁にぶち当たるから、それがシリーズものの難しさなのかもしれないですね。

赤澤燈撮影=コザイリサ


――そういう壁にぶつかったときは、どのように打開していくのですか?

陳内:「エーステ」に関して言うと、赤澤さんがそう言ってきてくれて、「2個くらいギアを上げた状態で試してみない?」と。それで次の稽古の目標を立ててやってみて、「やっぱりこっちだね」という話を、夏組のメンバーとスタッフさんも含めて共有しましたね。「こっちの路線で、ガンガンに疲れていこう」って。

――ギアを上げることで、夏組らしさを取り戻すということですね。

赤澤:それは演出の(松崎)史也さんもおっしゃってましたね。

陳内:もちろん新しい役に出会うのも魅力の一つですが、同じ役を違う角度で掘り下げていけるのは本当に贅沢なことですね。だからこそ、「これが僕のやってきた役だから」という傲慢は絶対に持たないようにしたいなと気を付けています。いい意味で持って、自信につなげる分にはいいんですけど、「僕は今までこうしてきたから」というトガった感じでは持たないようにしないと。

陳内将撮影=コザイリサ


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