――約3カ月半にわたる稽古を経て、いよいよ舞台が開幕しました。オリジナルミュージカルの創作はいかがでしたか?
伊藤:今日、ぜひお話ししたいことがあって、まずそこから語らせていただいてもいいですか(笑)。熊徹と九太が剣を担いでポーズを決めるラストシーンは僕たちが作ったんですよ! 僕は、最後の場面はポスターにもあるあのポーズで終わりたいと思っていたのですが、そのシーンの稽古中、曲の途中から礼生も同じことを考えているんだろうなということがなんとなくわかったんです。そしたら、実際に、礼生もあのポーズをしてきた! 示し合わせたわけでもないのに、すごくないですか(笑)。演出の青木(豪)さんも、いいですね、これで行きましょうって言ってくれて。
――大鹿さんも、やはり同じように考えていたのでしょうか?
大鹿:はい。その前に一度ラストシーンの稽古をしているのですが、少しあっさりしすぎている印象があり、「じゃあポスターのあのポーズをしてみよう、熊徹からいろいろなことを教えてもらい、成長した蓮を象徴しているポーズでもあるし」と考えたんです。そしたら、潤さんも同じことを考えていて。その瞬間はすごくうれしかったですね。
伊藤:自発的なイマジネーションの中で、新しいモノを作り出していくって、こんなに楽しいものなんだなと思いました。
――ところで、伊藤さん、稽古場見学会の時も、今日と同じ赤い羽織りを着ていましたよね。やはり熊徹という役柄を意識して、なのでしょうか?
伊藤:はい、自分で用意しました。稽古中からずっと身に付けている、僕の相棒です。ただ赤って男性物があまりなくて、女性物を購入し、昔、着物の仕立てをやっていた祖母に直してもらいました。それを着て、ずっと熊徹という役に取り組んできた、というのも、意味があるのかなと思っています。
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