NBA現役選手とその家族の葛藤・成功を描いた映画「ライズ~コートに輝いた希望」。栄光をつかむまでにあった光と影や、家族の絆を描いた同作をレビューする。(以下、ネタバレがあります)
本作は、アメリカ男子プロバスケットボールリーグ・NBAで2度のMVPを獲得した現役スター選手、ヤニス・アデトクンボと、同じくNBAで活躍する兄弟たちを含む家族の実話を基に描いた映画。ディズニープラスのコンテンツブランド「スター」で6月24日より独占配信中だ。
5人兄弟の三男であるヤニスは、二男のタナシスと共にウィスコンシン州ミルウォーキーに本拠地を置くチーム、ミルウォーキー・バックスに所属。そして、四男のコスタスはロサンゼルス・レイカーズと、NBA史上初めて、兄弟3人が同時期に人気チームでトップ選手に。さらに全員がNBAチャンピオンにもなっているという、驚異の3兄弟だ。
そんな彼らがトッププレイヤーになる以前の物語がメイン。製作総指揮にはヤニス本人が参加している。
ヤニスはギリシャ出身で、バスケットボールの国の代表にも選ばれている。しかし、両親はナイジェリアからギリシャにやってきた不法移民だった。生まれたばかりの長男フランシスを残して、よりよい生活を求めての苦渋の決断だったが、それが苦しみを生むことに。
父は農園で働くなどしたがそれだけでは生活できず、ヤニスやタナシスも母と一緒に路上で観光客相手に雑貨などを販売。その生活は常に強制送還におびえながらのものだった。両親は何度も滞在許可申請を求めて出向くが、継続的な仕事でないことが原因で却下されてしまう。その裏にはギリシャの経済情勢の悪化も。
そんな状況や家賃や水道代の支払いに苦しみながらも、家族には笑顔があった。ヤニスが生まれたとき、「家族の絆は永遠だ」と言った父。ずっとアデトクンボ家のベースにあるものだ。また、“アデトクンボ”という名字は「海から帰還した王」という意味を持ち、誇りを持っていた。
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