2021年。その年の漫才王者を決める大一番を前に、長谷川雅紀と渡辺隆は異様な緊張感に包まれていた。椅子に座ってジッと集中する渡辺と、落ち着きなく歩き回る長谷川に、「錦鯉さん出番です!」とスタッフの声が掛かる。
同じ頃、遠く北海道では長谷川幸子が、東京では渡辺政夫が、それぞれ食い入るようにテレビを見ていた。
その50年前の1971年、北海道札幌市。世は空前のボウリングブーム。若き幸子も臨月の身だというのに、夫・純一たちとボウリングを楽しんでいた。その時、あろうことか陣痛が来る。
一方、1978年春の東京、渡辺家。黒電話の前に正座し、落ち着かない政夫。まだかまだかと待ちわびていると、ついに電話が鳴り…「う、生まれた!?」。すると、そばで聞き耳を立てていた父・金次郎が、何やら箱を抱えて庭に出ていく。
生まれた年も場所も全く異なる赤ん坊二人が後に人気芸人になろうとは、この時はまだ誰も知らない。くすぶり続きの人生から奇跡の大逆転を起こした漫才コンビの、愛と涙と爆笑の物語が幕を開ける。
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