異世界“エンテ・イスラ”と、東京都渋谷区笹塚が再び結びつく。和ヶ原聡司のライトノベル作品「はたらく魔王さま!」のテレビアニメ第2弾「はたらく魔王さま!!」が、7月14日より放送開始。9年ぶりにテレビアニメ第2期が放送となり、視聴者からは「また真奥達の日常が見られるのは嬉しい!」「カツカツ生活が懐かしい」などの声が上がり、「#魔王さま」がTwitterトレンド入りする反響を呼んだ。(以下、ネタバレがあります)
原作は、シリーズ累計発行部数350万部を突破したファンタジー作品。アニメ第1期は2013年4月から6月にかけて放送され、第2期は地上波での放送(毎週木曜夜11:30-深夜0:00ほか、TOKYO MXほか)の他、動画配信サービス・ディズニープラスでは地上波同時、見放題独占配信される。
ひょっとしたら、「あらかじめ第1期を全部見ておかなければ、話に付いていけないのではないか?」「いきなり第2期から見始めて、楽しめるのだろうか?」と不安の方もいるかもしれない。結論から言うと、「その必要なし! 心をオープンにして、目いっぱい楽しんでください」。
初めて見る方でも話の流れがつかめるに違いない描写が前半にしっかり盛り込まれ、以降、異世界から現代日本の東京・笹塚に転生してきた面々を中心とする何ともいえない“人間味”(人間ではないが)を感じさせる物語が展開されていく。
古びた扇風機一つの六畳間で夏の暑さにヘロヘロになったり、すさまじい高速の動きだけではなく、時折飛んでこちらに立ち向かってくる長い触角を持つ虫(学名:ブラテルラ・ゲルマニカ※いわゆる“G”)に恐れおののいたり。物語の筋を、さりげない小ネタがさらに生き生きとさせる。
魔王サタン/真奥貞夫(CV:逢坂良太)、勇者エミリア/遊佐恵美(CV:日笠陽子)、悪魔大元帥アルシエル/芦屋四郎(CV:小野友樹)、それぞれ立場が違うとはいえ、皆、地球での生活を興味深く楽しみ、人間の女子高校生である佐々木千穂(CV:東山奈央)もそこに違和感なく溶け込む。
第2期の第1話「魔王、笹塚に叫ぶ」には、さらに新メンバーが空中に浮かんだ巨大りんごの中から登場する。放送前の告知では“謎の少女”とのことだったが、いやいや、少女どころか赤子(ただし日本語はできる)ではないか。その名はアラス・ラムス(CV:木野日菜)。「ぱぱ、ままは誰なの?」と尋ねられると魔王と勇者を指さした。
しかし魔王と勇者には心当たりがなく、そもそもなぜ真奥の正体がサタンだと知っていたのか、誰が彼女を日本に送ったのか、現段階では謎だらけだ。突然のアラス・ラムスの出現により、どうやら魔王城(アパート)に一波乱起こりそうだ。
◆文=原田和典
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