――「首のない男と妊婦の話」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
腹の中から首が出てくるホラーって怖いなと思い、そこにたどり着くまでに話を後から足しました。
――pixivに今作以前のお話も3話公開されていますが、このシリーズはどういったところから着想を得ているのでしょうか。
もともと怖がりなので、私の被害妄想から来ていますね。“日常に潜む恐怖”をテーマに描いています。
――霊能力者が出てくる漫画によくある“バトルシーン”が一切なく、淡々とした空気感でお話が進んでいきますが、こういったスタイルになった理由を教えてください。
和製ホラー映画のような怖さを演出するためです。ゆえに呪具や儀式といったものを出さず、ひたひたと誰かに追われるような、湿っぽさ、現実的で淡々とした展開になるように描いています。数センチ開いているふすま、自分が映っている鏡に横切る何か。そういうものを味わってもらいたいというのが、私のモットーです。
――主人公の「神田暁」、親友の「李王龍」のキャラクター設定について教えてください。
暁は、どの霊能力者より強く、悪い気を吸って浄化する人形みたいな男ですが「俺の吐息はファブリーズ」「俺の屁はバラの香り」とか真顔で言ったりします。英日のミックスで、家族共通語は日本語ですが、父親とは英語でしか喋りません。世界3本の指に入る力を持っています。王龍は香港人で、暁とは違い笑います。除霊はできませんが、武術に長けており、鉄扇(てっせん)に体内で練った気を乗せ戦います。家族とは広東語で喋ります。2人共バイリンガルで、小学校の頃からの親友です。
――神田暁のキャラクターは、どういったイメージから創り上げていったのでしょうか。
始まりは小学生の時に暁の初期モデルを思いついたんです。その時はもっとはつらつとした人物だったと思いますが、(自分が)大人になるにつれ、無表情で感情が読めないマネキンのような出で立ちになっていきました。あの性格になったのは、私が熱血主人公が苦手だからです。ドラマや映画にありがちな、恋人を盾にされる展開もまた苦手なので、マネキンのような独身の高校生に出来上がりました。唯一、宵(今作ラストに出てくる少女)に片想いをしてはいますが、宵は恋愛をよくわかっていないので、両想いになる日は遠いです。ちなみに宵は暁よりも強いです。暁のモデルとなっている人物像はターミネーターですね。外見は三白眼の鋭い目が好きなので、アドリアナ・リマやアンバー・ハード、最近だとビリー・アイリッシュ。彼女たちの顔を参考にして、183cmの男性にしました。
――今作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
やはり見せ場の首ですね。読んでゾワッとしていただければ冥利に尽きます。他には暁が母親の教訓を守っているシーン。人間味を込めて描きました。
――暁について謎が深まり続きが気になる展開ですが、この先を描く予定はありますか。
実は商業で連載を持ちたいので、今は応募作品を制作中です。挫けず邁進してまいりますので、応援していただければ幸いです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
ゴリゴリのホラーとファンタジー、恋愛漫画を合わせた一味違う作品を創り続けます。応援何卒よろしくお願いいたします。
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