城桧吏×新垣結衣が語る、生徒と先生のような関係性「新垣さんが仲直りの場を作ってくださった」

新垣「それを忘れたくないという城桧吏…すごく素敵」

「ゴーストブック おばけずかん」ビジュアル (C)2022「GHOSTBOOK おばけずかん」製作委員会


――では、印象に残っているシーンやセリフは?

城:自分で言うのは恥ずかしいんですけど、ジズリ戦で一樹が上から登場するところ。いい感じに光が当たってて何かカッコいいなって。グリーンバックで撮影していたので映像を見たときに、「ああなってるんだ!」って感動しました。

新垣:台本を読んでいるときからいいなと思っていたのは、一樹の「思い出なんてこれからいくらでも作れる。俺たちはまだ子供なんだ」というセリフです。本当にそうだな、勇気をもらえるなと思えたので。子供たちだけでなく、瑤子先生もみんなと冒険することで自分の未来にちゃんと向き合うようになったので、大人にも言えることだなって。いまを生きていく人たちは、みんなまだこれからだから、いくらでもやり直せるんだって思えるので、すごくいい言葉ですよね。撮影中はもちろん、完成したものを見ても、やっぱりいいな、それが1つのテーマだなと心に沁みました。

城:僕は言葉ではないんですが、瑤子先生が臨時の先生として僕らの教室に来て自己紹介をするシーンも印象に残っていて。僕たちと冒険に行く前は暗めの服で髪も下ろしていたのに、僕たちとの冒険が終わって改めて学校に来るシーンでは、明るい服で髪もアップに結んでいて。瑤子先生の印象がガラッと変わっていたんです。前向きな瑤子先生って言うのが表れていて、印象的でした。

新垣:何かうれしいな。ありがとう。私は台本を読んでいるときはそんなに引っかからなかったんですが、出来上がったものを見て感じたのは、湊(吉村文香)の「命賭けるなんて簡単に言わないでよ」というセリフ。何故かはわからないんですけど、その言葉が意外と胸に刺さって、印象に残っています。

――なるほど。個人的にはサニーの「いろんなものを無くしながら大人になっていくんだよ」というセリフが印象的でした。城さんと新垣さんが“忘れたくない”ものはありますか?

城:ちょっとしたことなんですけど、僕、3歳ぐらいのときの記憶が一つだけあるんですよ。父と母と公園に行く途中に僕が後ろに振り返って、「お父さん、お母さん、早く来てー!」って言って、走って中に入っていくというだけなんですが。そこだけ小さい頃の記憶が残っているので、その断片をずっと覚えていたいなって思います。

新垣:何かそれだけで泣きそうになったんだけど…。それを忘れたくないという城桧吏…すごく素敵でびっくりしちゃった。泣いちゃう…すごくいい! これ以上の答えはないです。

――そんな新垣さんは?

新垣:ざっくりになっちゃうんですが、学生時代全般の記憶です。特に中高の多感な時期ですね。あのときにしか見られない感じられないことって、いっぱいあったなと思って。学生のときの日常や感覚は、もう二度と戻ってこないですし、大人になってからは経験できないこと。忘れたくないってわざわざ意識しなくても、何かのときにふと思い出す匂いとか湿度とか、湧き上がってくるものがあるなとも思います。とても大事な時期だったと思うので、いつまでも大切な思い出ですね。

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