――逆に新垣さんは、城さんはじめ子どもたちと現場を共にしたからこその新たな気付きなどはありましたか?
新垣:体力面やメンタル面をはじめ、いろんな意味でタフだなとすごく感じました。長丁場の撮影だったり、さっき言っていたようなトラブルがあったりしても、気持ちの切り替えがすごく早くて。モチベーションを維持する力、楽しいことを見つけてやっていく力みたいなものが、みんなすごくあるなと思いながら見ていました。
あと、私がみんなくらいの年代のときに、こういうお仕事をやっていたら、彼らみたいに向き合って、現場でふるまえていただろうかと考えると、絶対にできていなかったなと。自分のことや目の前のことでいっぱいいっぱいだっただろうなと思いました。桧吏をはじめ今回の4人はみんな、すごく周りを見ているし、冷静なところもあるし、でも等身大で無邪気なところもあって…本当にすごいなって、純粋に尊敬の眼差しで見ていました。
――本作では、仲間たちと共に試練を乗り越えることで、先生も子供たちも成長する姿が描かれています。最後に、城さんと新垣さんがこれまでの人生で、自身が“変わることができた瞬間”を教えてください。
新垣:ずるい答えしか出てこないな…。
城:ずるい答えですか?
新垣:私たちのようなお仕事は、毎回違うチームになるので、みんなと短期間でギュッと濃密に過ごして、お別れして、また次へっていう感じで、ずっと同じ環境に身を置くことはありません。そんな中で私は本当に出会い運が良くて、各現場で支えてくれる方が必ずいるんです。その方たちの言葉や行動に常に助けられてきました。それを自分もいつか返していきたいなと思っています。その方たちにじゃなくても、自分が出会った誰かに同じようなことをしてあげたいなと。だから、変わったのはこのとき!というわけではなく、その時々のものが全部積み重なって、少しずつ変化して、今の私になっているはずって思っています。
城:僕は「万引き家族」(2018年)ですね。そこからお仕事を本格的にやり始めたので、「万引き家族」に出演していなかったら、今「ゴーストブック―」をやれていなかったと思います。是枝(裕和)監督と出会えたから、俳優業ができている。今でも交流がありますし、「万引き家族」という作品と是枝監督のおかげで、僕はこのお仕事を楽しくできています。
◆取材・文=戸塚安友奈
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