「のび太が主役なのにタイトルは『ドラえもん』」二宮和也が大学生に「誰かの支えになれるように頑張って」とエール

2022/07/27 07:10 配信

映画 会見

映画「TANG タング」公開直前イベントにサプライズで登場した二宮和也撮影:田中隆信

二宮和也が、7月26日に日本大学文理学部・センターホールで開催された映画「TANG タング」公開直前イベントに、満島ひかりと共にサプライズで登壇した。

日本国内でもシリーズ累計発泡部数38万部を超えるイギリスのハートウォーミング小説「ロボット・イン・ザ・ガーデン」を映画化した本作。ゲーム三昧で妻・絵美(満島)に家を追い出されたダメ男・健(二宮)は、訳あって無職で人生に迷子中。ある日、家の庭に突然現れたのは、記憶をなくした迷子のロボット・タング。時代遅れで旧式のタングを捨てようかと思った健だが、タングが失った記憶には世界を変えるある秘密が隠されていた。偶然出会った二人の迷子が大冒険の先に見つけた“人生の宝物”とは…。

二宮和也&満島ひかりがサプライズで登場


試写の後、三木孝浩監督一人でトークを行う予定だったが、「せっかく学生の皆さんがいっぱいいらっしゃるということで、僕だけの話を聞いてもしょうがないですよね。もう二人ぐらい“ロボットと人間の友情”を語ってくれるゲストをお呼びしてもいいですか?」と言って、二宮と満島がステージに現れた。

驚いて興奮状態の学生たちに、二宮は「本物でございます。今日はいろいろとお話を伺いたいと思います」とあいさつ。撮影でのエピソードなどを語った後に、劇中で将来に自信が持てない妻・絵美に健が「きっと大丈夫」と励ますシーンにちなんで、学生たちの悩みを聞いて温かいエールを送るコーナーも設けられた。

「コロナウイルスの影響で、3年生になり、ようやく学校に通えるようになりました。サークルに入って人前でギターを演奏するのが不安です。どうしたら緊張と不安を克服できますか?」という質問に、二宮は「緊張しますよね。でも、コロナウイルスじゃなくても緊張すると思います。そういう点では、僕らも緊張はしています。僕は“緊張”と“緊張感”は全く別物だと思っているので、緊張するよりかは緊張感を持って挑むと割といい結果が出るような気がします。“今日は何が足りてない”とか、どこがどうなってるのかが、僕の場合は見えてきたので、それがいいと思いますよ」とアドバイスをして、「きっと大丈夫!」の言葉も贈った。

「大学3年生ですが、将来を決める上で大事なことは何ですか?」という質問には、「僕は就職活動をしたことがないので、僕みたいな人間は気にしないでほしいんですけど」と前置きし、「僕の感覚では、学生時代をジャニーズJrの時代だとすると、みんな横並びで一所懸命頑張っていました。でも、デビューしてからは横並びにいた人たちが実は縦に並んでいることに気付いて、自分は何番目にいるのかが分かるようになったのが社会なのかなって思います」と持論を展開。

「自分のいやすい順番を確実にとらえておくこと。ペースメーカーになりたいなら一番目に行く。でも、その人を見て付いていきたいのなら二番目で。Jr.時代は感じなかったですけど、デビューして社会に放り出されて、自分がいやすい場所はここなんだっていうのを見つけてから、『ここでできることは何だろう?』というのがおのずと見えてきたので、就職して会社に入って、順番が分かって、『これじゃなかった』って分かったら別の道に進んでもいいと思うので、そんなに気にせずに。時間が解決してくれると思うので、頑張れ!」とキメ顔でアドバイスした。

満島ひかり、二宮和也撮影:田中隆信


二宮和也「ビビるくらい強い方に媚を売ります!」


「さまざまな分野のスペシャリストの方と関わられることが多いと思いますが、意見の違いで板挟みになった時、どのように対処したらいいですか?」という質問には、「ビビるくらい強い方に媚を売ります!」と即答。

「そうすると自分の中でめちゃくちゃ過ごしやすい感じになります(笑)。スペシャリストだから意見が食い違うわけなので、その現場にいられることがありがたいと思うのがいいですよね。意見を求められたら、『そうっすよね!』と強い方にうなずきます」と語り、会場から大きな笑い声が起こった。

質問者が「ありがとうございます。強い人に媚び売ります!」と感謝の気持ちを伝えると、二宮は「それなら絶対大丈夫!」と笑顔で返した。

最後は、「ドラえもんってのび太がいるからドラえもんで、のび太が主役なのにタイトルは『ドラえもん』。ドラえもんは道具を出すだけで、のび太が成長するのに、それでも『ドラえもん』なんです。“本当はのび太が主役なのに”っていつも思っていました。まさか、その何十年後、主役は“健”なのにタイトルは『TANG タング』なんだって…。それでも悔しがらないで、誰かの支えになれるように頑張ってください(笑)。この映画が皆さんの人生の中の作品として残ればうれしいなと思っています」とユーモアを交えたエールで締めくくった。

映画「TANG タング」は8月11日(木)より全国ロードショー。

◆取材・文=田中隆信

タング撮影:田中隆信