【漫画】余命宣告された妻、夫に冷たい態度をとる理由とは。夫婦の深い愛を描いた漫画が「泣ける」「切ない」と話題

2022/08/20 10:00 配信

芸能一般 インタビュー コミック

余命半年の妻がつく“優しい嘘”が泣ける…武田登竜門さんの『大好きな妻だった』が話題 画像提供/武田登竜門さん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、余命半年を宣告され変わってしまった妻と、それでも献身的にサポートする夫の変わらない愛の形を描いた作品『大好きな妻だった』をピックアップ。作者の武田登竜門さんが2022年7月15日に同作をTwitterに投稿したところ、3.3万のリツイートと14.8万以上(8月18日現在)の「いいね」が寄せられ大反響を呼んだ。この記事では、武田登竜門さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについてを語ってもらった。

「早く死にたい…」「一秒でも早く死んでくれ」裏腹な言葉に隠された、夫婦の想いに涙する人続出


『大好きな妻だった』より 画像提供/武田登竜門さん

夫である高橋昴(すばる)のことをいつも喜ばせようとしてくれる“大好きな妻”・千香。そんなある日、千香にガンが見つかり、余命半年と宣告される。少しでも長く一緒にいられるように、手を尽くすことを誓った昴。しかし半年後、千香は“まだ”生きていた。これまで毎日足繁く病院へ通い、洗濯物の交換や毎週のお小遣いなど献身的に妻をサポートしてきた昴。しかし千香に末期ガンが発覚して以降、二人は一度も目を合わせることなく、千香はいつも昴を突き放すような冷たい態度をとっていた。

昴の「治療頑張ってね」の言葉に、「あんたに言われなくても頑張ってるっつーの どうせ死ぬのに毎日毎日頑張ってんだよ」と冷たく返す千香。追い出されるように病室を後にし帰宅した昴は、通帳を手に家計簿をつけながら、限りある貯金の中でやりくりする術を考えていると、千香に頼まれた洗濯をし忘れていることに気づく。コインランドリーで洗濯が終わるのを待っている間、昴は過去に千香と一緒にここに洗濯をしに来たことを思い出していた。千香が楽しそうにはしゃぐ姿がフラッシュバックした昴は「一番辛いのは僕じゃない 病気で何もかも変わってしまった千香の方だ」「できることなら何だってしてやろう」とあらためて誓った。

帰り道、昴の携帯電話に千香から「明日友達来るからケーキ買ってきて よろしく」とメッセージが届く。その瞬間、千香はいつ死ぬんだろう、という言葉が頭をよぎり、自分自身に恐怖を覚える昴。次の日、ケーキを買った昴は病室まで立ち寄るも、友人の「もっと高橋くんに優しくしてあげなよ」という声が聞こえ、立ち聞きする。友人が千香のこれまでの態度をなだめるも、「ちょっとやりすぎかな?」と笑う千香に、昴はその場でイライラを募らせる。

しかし、千香は「あたしが死ぬ前にしてあげられることはもう終わりかなあ」と呟く。千香が昴に冷たい態度をとる理由は、自分から気持ちを離し、昴に残りの人生を楽しく生きてもらうため、余命宣告された時にとことん嫌な奴になろうと決めたためだと明かす。嘘をつくことが苦手な千香は、感情を隠すために昴と一度も顔を合わさないのだった。真実を知りたまらなくなった昴が病室に入るも、まだ悪態を吐く千香に、「僕も君と同じようにやるからな」「お前なんか大っ嫌いだ 一秒でも早く死んでくれ」と言って抱きしめる。それに対して涙が堪えきれず「早く死にたい…」と答える千香。お互いに想いと裏腹の言葉を言いながら、手を取り合って泣き崩れる二人。千香の“優しい嘘”がやっと暴かれ、その瞬間二人の関係は半年前のように戻ったのだった。

夫婦の変わらない愛の形を緻密かつ繊細な表現で描き、読者の涙を誘う同作。Twitter上では、「ボロボロ泣いた」「何回読んでも泣いちゃう作品」「深い深い愛」「妻をより愛そうと思う」など、読者からのコメントが続々と寄せられ、話題を集めている。