「現実的」だけど「楽しい」料理番組『DAIGOも台所』/いつもテレビをみています#2

DAIGOの奮闘が光る「DAIGOも台所」イラスト=渡辺裕子

テレビ大好きイラストレーター・渡辺裕子さんが、お気に入りの番組をかわいいイラストで紹介する連載「いつもテレビをみています」。第2回は「DAIGOも台所 〜きょうの献立 何にする?〜」をチョイス。

「現実的」だけど「楽しい」料理番組『DAIGOも台所』


手際良く美しい料理をぱっぱっと作っていくお料理の先生を見ながら「あーおいしそう、でもなかなかこんなふうにはできないよねー」とつぶやきつつプロの技を楽しむ。お料理番組といえばそういう「現実とはちょっとだけ離れた料理を見て楽しむ」というイメージがあったんですが、この『DAIGOも台所~きょうの献立 何にする?~』はちょっと違う。

先生方はもちろんすばらしいプロの技を見せてくれるけれど、その横に立つDAIGOさんは、完全に料理の初心者。「生まれて初めて魚に包丁を入れるかもー」とか「鍋肌ってなんですか?」とか言いながらおぼつかない手つきで料理を作る。わからないことをまっすぐ尋ね、アドバイスを受けてうまくできれば「やった!」と喜ぶ。それがなんとも気持ちがいい。男女問わず、年齢を重ねていくとたいてい「できない」「知らない」ことを認めるのがとても恥ずかしくなり、私なんてよく知ったかぶりをしてしまうのですが、DAIGOさんは違う。今までできなかったことができるようになるのを、心から楽しんでいるのがいいです。

先生方に対するフレンドリーな態度も、心地いい。先生だからと必要以上に持ち上げず、キッチンに並んで一緒に料理を作っている友人のような空気感。会話しながら先生それぞれの個性がわかり、番組を見ているうちにいつの間にか先生たちのことも好きになっているのは、DAIGOさんの話術のすばらしさなんでしょうね。そして毎週金曜日は、先生は手を出さずアドバイスするだけで、最初から最後までDAIGOさんひとりで作るのですが、回を重ねるごとにじわじわと手際がよくなっているような。

作るお料理も、今冷蔵庫にあるものでなんとかできちゃいそうなシンプルな材料とシンプルな工程なものばかり、フライパンも鍋も使わず、レンジで火を通せばいいじゃないか、なんてものもある。暑い時期なんて、火を使いたくないですもんね。こういうところ、現実的。

何よりすばらしいのは、番組の最後にDAIGOさんが、使った食器を洗いながら楽しそうに今日のまとめをしゃべるところ。そうそう、食器を洗って片付けるところまでが「料理」、これが現実ですよね。後片付けがある料理番組って、いいなあ。そんな「現実的」だけど「楽しい」料理番組、『DAIGOも台所~きょうの献立 何にする?~』は最新話がTVerで見られます。

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