高石あかり、園児の頃に憧れた“俳優業” ダンスボーカルグループ経て新たに抱いた夢

高石あかり撮影:山田健史

俳優を目指すきっかけは「花より男子」の井上真央


――高石さんが俳優になりたいと思ったきっかけは?

当時やっていたドラマの「花より男子」(TBS系)を見て「主人公のつくしちゃんになりたい」というのではなくて、つくしちゃんを演じていた井上真央さんに、俳優になりたいと言ってたみたいなんです。その頃の映像も残っていて、保育園児の頃から「俳優さんになりたい」と言っていたし、小学校では「将来の夢」にもそう書いていました。ちゃんと足跡が残っているんですよね。

――大人になっていくにつれて、その夢が変わることはなかったんですか?

ほとんどなかったです。1、2週間だけ「小説家になりたい」と思ったことはあったんですけど…。たぶん、国語の作文が楽しかったのかなと。それぐらいのことです(笑)。

――芸能界入りして、まずはダンスボーカルグループ「α-X's」のメンバーとして活動されていましたね。

ダンススクールに通っていてダンスを楽しいなと思っていたんです。その時に見たエイベックスのポスターがすっごくキラキラして見えたんです。それで「私、これに出たい」と言ってオーディションを受けて、エイベックスに入ることになりました。

――その結果、今では見事に俳優業で活躍されているんですね。

その当時、AAAさんに出会ったことで「この世界はすごい。私はダンスボーカルグループの人になるんだ」と本気で思ったんです。途中からは俳優じゃなく、この道で頑張りたいと思っていたんですが、ある時にふと「私の夢ってなんだっけ?」と思った時に、テレビで見た役者さんの表情を自分がまねしていることに気付いたんです。「私、俳優さんになりたいと思っているんだ」と改めて分かって。そこが新たなスタートでした。

高石あかり撮影:山田健史


自分が思う女優になるまで「女優になりたい」と言っていく


――一度離れて、眠っていた俳優への思いが再び開花したんですね。実際に俳優になったと実感したのはいつ頃ですか?

舞台などお仕事はあったんですが、コンビニのスピーカーで「女優・高石あかり」と私の名前が聞こえた時に「これは私が小学校に思い描いていた女優さんなのかな」と、なぜかモヤモヤしていたんです。そんな時、尾野真千子さんのインタビューで「私はいつまでたっても映画女優になりたい」という言葉を見て「そうだ」と。「私は、私が思う女優さんになるまで、女優になりたい」と言っていいんだと思えたんです。もっと上に目標を持って、それに向かって走っていいんだ、って。

――では、この「とおいらいめい」はその新たな目標の原点になるわけですね。最後に改めて、作品を楽しみにしている方にメッセージをお願いします。

コロナ禍という状況があって、今はみんなで一緒にそれを乗り越えている途中だと思います。そんな中で一人一人が導き出した答えがあると思うんですが、私が出した答えは「人とのつながりがないと生きていけないな」ということだったんでした。コミュニケーションって本当に大事で、顔を見て話すことができる家族や恋人、友達の大切さを、この「とおいらいめい」を通して再認識できればいいなと思います。

この映画を見て、私には「生きる」という文字が頭に浮かびました。皆さんの自分にとって大切なもの、必要なものはなんだろうということを見つけさせてくれるような作品じゃないかなと思うので、ぜひ劇場で体感してもらえたらうれしいなと思います。

※高石あかりの高は正しくは「はしごだか」

◆取材・文=山田健史

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