「バイオハザード:ヴェンデッタ」深見真×小林裕幸SP対談!(前)

2017/05/20 12:00 配信

映画 インタビュー

映画「バイオハザード:ヴェンデッタ」から深見真(写真右)と小林裕幸(写真左)の対談をお届け!(C) 2017 CAPCOM / VENDETTA FILM PARTNERS. ALL RIGHTS RESERVED.

5月27日(土)より公開のフルCGアニメーション映画「バイオハザード:ヴェンデッタ」。本作を作り上げたスタッフの中から、アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」(2012-2013年、フジ系)などで知られる脚本の深見真と、「バイオハザード」シリーズのプロデューサーで、作品の原作監修を務めたカプコンの小林裕幸にインタビュー。制作の裏側から深見の「バイオ」愛まで、対談形式で語ってもらった。

――いよいよ公開が間近に迫りましたが、現在の心境はいかがですか?

小林裕幸(以下小林):今作は公開時期に比べ、早めに完成したんです。その時は公開がまだ先だったので、「やっと公開か」というイメージですね。一般のお客様に見てもらえるのが楽しみですし、早く感想が聞きたいです。

深見真(以下深見):自分はゲームの「バイオハザード」シリーズをずっとやっていたので、シリーズの1ファンとして、こうして脚本で関わることができて本当にうれしいです。しかも「今回はクリスとレオンが主人公で」というオーダーがあったのですが、自分は特に「バイオハザード4」(以下“4”)以降が好きなので、主人公のクリスとレオンには思い入れがあり、よりうれしかったです。

(※クリスは「バイオハザード5」[以下“5”] 、「バイオハザード6」[以下“6”]で、レオンは“4”、“6”で主人公として登場)

――本作の制作はいつごろから始まったのですか?

小林:深見さんがスタッフに入られたのは初期の頃ですよね?

深見:そうですね。2015年になってからだったと思います。ちょうど自分がPS3版の「バイオハザード リベレーションズ2」をプレイしていた頃でした。

小林:2015年は深見さんと何度も打ち合わせをしましたね。

深見:自分がスタッフに入る前に、小林さんとエグゼクティブ・プロデューサーの清水(崇)さんがおられて、打ち合わせを進めていらして。

小林:その後、脚本が深見さんに決まり、監督が辻本(貴則)さん(※辻本監督の“つじ”の字は一点しんにょう)に決まり、という順番でした。

――深見さんは「バイオ」ファンとのお話がありましたが、仕事の依頼が来た時には喜びもひとしおだったのでは?

深見:でも最初に声が掛かった時って、Twitter経由だったんですよ(笑)。

――仕事の依頼がTwitterですか!?

深見:「本当かなあ?」と思って(笑)。

小林:じゃあ飛び込みのお願いだったんですか?(笑) 何かつながりがあってとかではなく?

深見:まったく無かったです。

小林:いきなりのアタックなんですね。でも「このクリエイターさんと仕事をしたい!」という時に、最近はうちもそれをよくやります(笑)。じゃあマーザさんからそういう風に話が来たんですね?

(※マーザ・アニメーションプラネット…本作のアニメーション制作を行ったCG映像制作会社)

深見:最初は「怪しい仕事なんじゃないかな?」とも思いました(笑)。でも、マーザさんのオフィスに伺ったらすごくしっかりした会社だったので、「大丈夫だ、騙されてない」と感じましたね(笑)。真面目な話、マーザさんは映画『キャプテンハーロック-SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-』(2013年)などを手掛けていて、「すごい技術力を持つ会社だな」とは知っていました。

――深見さんはゲームシリーズのファンであることが作品にも生かせたのでは?

深見:もともと自分は、作りがアクション映画らしくなってきて、ミリタリー色が強くなったバイオが好きなんですよ。例えば“4”のレオンとクラウザーのナイフバトルだとか、ああいったのがすごくかっこよくて。

小林:“4”はヨーロッパの銃をいろいろと出しましたしね(笑)。

深見:“5”のちょっとカンフーっぽい立ち回りも好きですし、体術が充実している “6”は特に大好きです。「ある程度ゾンビを攻撃して、体術でとどめ」という流れのアクションがすごくかっこいいんですよ。

「バイオ」はもちろん「怖い」もあるけど、「かっこいい」もたくさんありますよね。今回、映画を作るにあたって、そういった「かっこいいバイオ」もファンとして見たいと思い、脚本を書きました。