<メイドインアビス>「ボンドルドが全部悪い」鬱展開と究極の選択に視聴者絶望

2022/08/04 12:41 配信

アニメ レビュー

ボンドルド、お前が全部悪い!

ミーティ(左)とまどろむナナチ(右)(C)つくしあきひと・竹書房/メイドインアビス「烈日の黄金郷」製作委員会


三賢のワズキャン、ベラフが成れ果てに変貌している中、人のまま生きていたヴエコに救済された気持ちになった視聴者もいたようだが、ラストで待っていたのはやはり本作らしい絶望的な展開だった。

レグの火葬砲で弔ったはずのミーティが、なぜか成れ果て村で生きていたという驚きの事実。ミーティの所有者であるベラフから明かされたのは、以前、リコたちが深界五層で死闘を繰り広げた黎明卿ボンドルドの存在だった。成れ果て村までたどり着いていたボンドルドは、ある日、ミーティを連れてベラフの前に現れたのだという。

ミーティの不死性を見抜いたベラフはボンドルドに対価での交換を懇願したが、ボンドルドは決して応じず、そこでベラフがとった選択は、724本の手足の全て、体長の5割、感覚器の一部という壮絶な対価を払い、魂まで写したミーティの複製を“イルぶる”に産み出してもらうというものだった。

痛々しく涙を流しながら、ベラフに“体の中”を吸い続けられるミーティ。そんなミーティを救うために、自分自身を売り払ってしまったナナチ。さらにナナチを救おうとしたリコは、両目か、両足か、臓腑の半分という恐ろしい対価をベラフに突き付けられる。耐え難い状況に、Twitterには「3つから選べねぇよ、どれもアウトだよ!!!」「全てを代償にミーティを選んだナナチに涙が止まらない」「体の一部を持っていかれる等価交換の法則…」といった声が並んだ。

同時に、視聴者の非難を一身に受けたのは元凶であるボンドルドだった。「ボお前ほんと…ほんと…お前………!!!」「やはりだいたいボ卿が悪い」「ボンドルドはホントろくなことをしねえなクズ」といったコメントが次々に投稿された。リコの決断は次回に持ち越される形となったが、どれを選択しても彼女の冒険がここで終わってしまうのは確実だろう。それとも、ナナチの旅がここで終わってしまうのか。

豊作期とされる今期のアニメの中でも、第1話からここまで変わらず高い人気を維持している本作。決して心が休まるような物語ではなく、スカッとする爽快な作風でもない。むしろ“鬱展開”と言われるほど痛々しい描写が連続し、小さな冒険者であるリコたちに降りかかるのは過酷な試練、残酷な別れといったものばかりだ。放送後にはそれを声にするように、「絶望感がすごすぎる」「本当につくし卿は度し難い」「面白いけど見るのが怖いわ」など、期待と痛切な思いが入り混じる感想が寄せられている。