金城一紀、6年ぶりのインタビュー!! ドラマ「CRISIS―」制作秘話と思いを語る

2017/05/22 07:00 配信

ドラマ

「CRISIS公安機動捜査隊特捜班 ドラマオフィシャルガイドブック」本日発売!!

 直木賞作家の金城一紀が原案・脚本を手掛け、小栗旬と西島秀俊の共演で興奮を呼んでいるアクション・サスペンスドラマ「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」(毎週火曜夜9.00-9.54カンテレ・フジ系)。その全容に迫る「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班 ドラマオフィシャルガイドブック」(KADOAKWA)が満を持して5/22(月)に発売!

特捜班の捜査官・稲見を演じる小栗旬と同じく田丸役・西島秀俊の撮り下ろしグラビア&ロングインタビューをはじめ、二人のバディ対談やドラマのメイキング、劇中では語られないキャラクター設定、人気漫画家による「CRISIS絵」など盛りだくさんの内容になっている。さらに、このガイドブックでは、原案・脚本の金城一紀が、実に6年ぶりにメディアのインタビューに答えた。本書発売を記念し、金城の貴重なインタビューからコメントを一部を抜粋してお届け!

「僕はアクション・エンターテインメントをやりたくて映像業界に首を突っ込んだので、『CRISIS』みたいな作品に関われたことが本当にうれしいんです。それに、今回はテレビドラマでやれるギリギリまで攻めることができた。だから、SNSでキャストのみなさんに『これが僕の脚本家としての代表作になりました』と本心を伝えました。すると、みなさんからも熱い返事が返ってきて、なんだか昔の青春ドラマみたいでした。『みんなで夕陽に向かって走ろう』みたいな(笑)」

 金城は脚本を執筆するだけではなく、クランクインの1年以上前からフィリピンにルーツがある武術カリを小栗、西島らに教え、ハイレベルなアクションシーンの実現に向けて尽力。撮影現場でも熱いアクション指導を行なった。

「『CRISIS』は、肉体を使ったアクションという点だけでは欧米のドラマを超えたという自信があります。それができたのは、キャストの皆さんが熱心に練習してくれたから。そして、やっぱり小栗くんの身体能力はすごい。彼は日本で唯一ジェームズ・ボンド役をやれる人だと思っています。スーツも似合うし、ボンドの素質があるでしょう?」

5/23(火)放送の第7話は、テロリスト・平成維新軍のメンバーがついに正体を現わす注目の回。これまで伏線が張られてきたように、彼らの正体は10代、20代の若者だ。

「これからますます格差が広がっていくような社会を背景にしてフィクションが描くべきことはなんなのか。それを突き詰めた結果、象徴的な存在として平成維新軍という組織を出すことにしました。彼らがやっていることは間違っているのかもしれない。しかし、彼らの行動原理には大人たちが見逃してはいけない志が核にあるんです。その志を知った稲見たちは『俺たちのほうが間違っているんじゃないか』と心が揺らいでいく。そういう深いテーマをやりかったんです」

 ガイドブックで金城は「CRISIS」のテーマという核心についても、まだまだたっぷりと語ってくれている。さらに、第1話からのエピソードについてその制作意図をみずから詳しく語り、映像業界で企画を通す苦労や作家活動の再開についても明かしている。

“ドラマ冬の時代”と言われて久しい今、テーマ、アクションともに妥協しない作品を作り続ける数少ない真のクリエイターの声は必読だ。これを読めばクライマックスに向けて盛り上げる「CRISIS」を2倍、3倍楽しめる!

(取材・文/小田慶子)

小田慶子