<プレデター>新ヒロインに“次世代アクションスター”のオーラ…監督も称賛「特別な女優だと感じた」

2022/08/13 11:15 配信

映画 コラム

「プレデター:ザ・プレイ」の主人公・ナル(アンバー・ミッドサンダー) (C)2022 20th Century Studios

「レギオン」のケリー役も話題に


そんなナルを演じるアンバーについて解説したい。ネイティブ・アメリカンの血を引く彼女は1997年4月26日生まれの25歳。映画「X-MEN」のスピンオフとして制作されたテレビドラマシリーズ「レギオン」のケリー役で一躍脚光を浴びた。

最近では“アクションスター”リーアム・ニーソンが主演を務めた映画「アイス・ロード」(2021年公開)に、メインキャストの1人として出演。鉱山事故に遭遇した作業員の救助に向かうトラックドライバーチームの1人・タントゥを好演した。意志の強いまなざしで、クールにトラックを運転する姿も記憶に新しい。

そんな彼女は、ナル役に抜てきされた当時の心境について「『プレデター』は愛すべきシリーズだから、当然プレッシャーを感じたわ。でも、この映画を信じて待っていてくれた人たちに『これを信じてよかった』と思って欲しかったの。私のことを信じて良かったとも。ダン(・トラクテンバーグ)監督が私を主演に選んでくれたのだから」と語っている。

一方、ダン監督は、主演に抜てきしたアンバーのことを「一目見たときから特別な女優だと感じた」と、第一印象からひかれていたことを明かし、その演技についても「セリフを言わなくとも目だけで感情を表現することに長けていた。そして彼女のアクションはすごいんだ!」と称賛している。

次世代アクションスター誕生の予感


ハリウッドのアクションスター女優といえば、サバイバルアクションホラー映画「バイオハザード」シリーズで多くの犠牲を払いながらもゾンビと対峙したアリス・アバーナシーを演じるミラ・ジョヴォヴィッチや、映画「ターミネーター」シリーズの1作目で、超合金と人工皮膚でできたターミネーターに命を狙われ、愛する人を亡くしながらも息子を守るために肉体を鍛え抜き、2作目ではシュワルツェネッガーと共に激しいアクションを繰り広げたサラ・コナー役のリンダ・ハミルトンが印象深い。

今作のナルとも通じるが、圧倒的に不利な状況下にもかかわらず、果敢に敵に立ち向かっていく強い女性たちの姿は、いつの時代も心を打ち、ファンの心をつかんで離さない。近い将来、ナルを演じるアンバーが彼女たちと双璧をなすアクションスターに成長する姿が見られるかもしれない。

すでに最新作を視聴したファンからはプレデターVS人類の“狩り×狩り”の迫力を称賛する声だけでなく、「アンバー・ミッドサンダーの演技が素晴らしい」「ナルの子のアクションが凄かった」「続編が見たい」といったアンバーに対する称賛も集まっており、早くも彼女を主人公とした続編を期待する人も少なくない。

ちなみにナルは最強の部族の出身だが、最初から強かったわけではないと前述したが、「ナル」というのは、彼女たちの言語であるコマンチ語で「ファイト」を意味する。最後まで見終えると、これ以上ないほどピッタリな名前だと思う。名は体を表すとはよく言ったものだが、そういう意味では最初から彼女は強くなるべくして、なったのかもしれない。

◆文=高崎二灯星