遠藤憲一の“気持ちの演技”が彩る、身長25cmのベビー・グルートの“小さな大冒険”

2022/08/16 06:30 配信

映画 アニメ レビュー

「アイ・アム・グルート」はディズニープラスで配信中 (C)2022 Marvel

バラエティー豊かな短編5作品


全5話のうち、最初に見てもらいたいのは「グルート、初めての1歩」。白い小さな鉢植えの中で機械に世話されて生活していたグルートだが、自分よりも大事にされている他の木に嫉妬し、ちょっかいを出したりするうちに落下。そのはずみで鉢が割れて、自分の足で立ち、歩くことを覚えた…。タイトル通り、グルートが自立への第一歩を踏み出す“始まり”の物語になっている。

他に、石の下に隠れていた小さな集落で暮らす小さな種族たち(25cmのベビー・グルートよりもはるかに小さい)を相手に、ヒーローになろうとするグルートの姿を描いた「The Little Guy」。船内に響く不気味な音を捜査していたグルートの前に、不思議な生物が現れ、なぜかダンス対決に巻き込まれる「グルート、捜査する」。お湯が沸いている場所を見つけて、お風呂に浸かりながらオモチャや入浴剤などで遊んでいると、木の体だけに血行が良くなるのか、発育促進されるのか、体中から葉っぱが生えてきて、それでいろんな髪型を楽しむという「グルート、お風呂に入る」。

そしてグルートにとって“家族”同然の存在であるガーディアンズのメンバーの絵を描くために、船内を度を超えた散らかし方をしてしまう「大傑作」というふうに、それぞれグルートのいろんな一面が垣間見える物語になっている。

グルートの相棒・ロケットも登場!


ほのぼのとしていて“癒やし”の作品ではあるが、その中にもちょっとした残酷さがあり、グルートの性格もよく分かる。

シリーズの監督を務めるジェームズ・ガンは、本作では制作総指揮(エグゼクティブ・プロデューサー)の一人に名を連ねているが、実は「グルート・捜査する」に腕時計の声(Wrist Watch Voice)役で出演していたりする。各話、短い時間の中にも盛りだくさんな情報が詰まっているので、繰り返して見てみると新しい発見がきっとあるはず。

◆文=田中隆信