「アイドル」=何にでも挑戦できる職業?“アイドル番組”で培われるオールマイティな魅力

2022/08/22 08:30 配信

アイドル コラム

乃木坂46をはじめ、数多くのアイドルが出演したTIF2022撮影=大野代樹

8月5日から7日にかけて、世界最大のアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL 2022」が大盛況となった。8月26日(金)から28日(日)にも、横浜アリーナにて多数のアイドルが出演するポップカルチャーイベント「@JAM EXPO 2022」が開催される。2010年前後の“アイドル戦国時代”と比べ、昨今はアイドルブームが下火になっていると感じる方もいるかもしれない。だが、今もテレビでは多くのアイドルがバラエティやドラマに出演しているほか、アイドルを中心とした“アイドル番組”も数多く放送されている。果たしてアイドルの現在地は?その歴史を振り返りながら検証する。

アイドル百花繚乱の時代から冬の時代へ。救ったのは…?


日本におけるアイドルは1930年代、女優であり日本舞踊家の明日待子から始まったと言われる。彼女は「カルピス」の初代CMガールであり、ライオンやキッコーマンのポスターに起用されるなど一大ブームを巻き起こし、その青春期をドラマ化した古川琴音主演のドラマ「アイドル」も8月11日、NHK総合にて放送された。

1960年代にはアイドルの意味が広がり、グループサウンズらいわゆる“芸能界の人気者”がアイドルと呼ばれるように。1970年代には郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎の“新御三家”も登場し、沢田研二、萩原健一、山口百恵、ピンクレディーらが活躍する。

その1970~80年代初頭、アイドルとバラエティは蜜月関係にあったといえよう。当時は歌番組が今でいうバラエティ番組の役割を担っており、歌の要素だけでなく、アイドルがアイドルに告白をするなどのバラエティ的演出もあった。その後、ドリフターズの登場でコント番組が大ヒットすると、桜田淳子、山口百恵、郷ひろみら当時の大スターがコントでもゲスト出演。「カックラキン大放送」での野口五郎の「刑事ゴロンボ」を覚えている方も多いはずだ。

その後萩本欽一の番組がヒットすると、そこから“職業・アイドル”ではない「イモ欽トリオ」が登場したり、新人アイドルだった松居直美らがバラエティアイドルとして開花したりと、“番組がスターを生み出す”時代に突入する。これをさらに進化させたのが秋元康で「おニャン子クラブ」は世を席巻した。さらには“最強の素人”とんねるずも輩出。やがてキラキラした“職業・アイドル”は、とんねるずやダウンタウンといった芸人やロックバンドに取って代わられることになった。

そんなアイドル冬の時代に現れた番組が「SMAP×SMAP」だ。番組構成作家だった鈴木おさむ氏によれば、当時は一部で「アイドルのバラエティが今更流行るわけがない」と言われていたそうだが、蓋を開けたら視聴率20%。ここから再び“職業・アイドル”の流れが活性化していく。

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