一方、すでに全国のお茶の間でおなじみの芸人たちによる「ネタ披露」パートも見逃せない。例えば2021年度は、見取り図、ロングコートダディ、ニッポンの社長、ZAZY、濱田祐太郎、令和喜多みな実、コウテイら、「M-1グランプリ」「R-1グランプリ」「ABCお笑いグランプリ」「上方漫才大賞」「THE W」といった賞レースで結果を残した者たちが集った。
さすがのネタの完成度に驚かされるとともに、彼らもかつては番組のネタバトル出場者だったパターンが多く、スタジオで若手芸人の姿を温かく見守る光景も感慨深い。
2018年には、司会も長年の功労者だった千原ジュニア・小籔千豊から、かつてフットバトルでしのぎを削った“アキナ牛シュタイン”(アキナ・和牛・アインシュタイン)にバトンタッチ。そうした“お笑い世代交代”の場に立ち会えるのも、「オールザッツ漫才」の醍醐味だ。
ちなみに「オールザッツ漫才 真夏のゴールデンSP」の放送に先立ち、Tverでは現在、2011年と2021年の「オールザッツ漫才」が無料配信中。間に10年の月日が流れており、それを観るだけでもお笑いシーンの変容ぶりを肌で感じることができる。
特に、千鳥とかまいたちの若かりし姿を拝める2011年の「オールザッツ漫才」は必見だ。今やMCとして、若手芸人をまとめながら数多くのレギュラー番組を進行している2組。だが、当時はまだひな壇芸人。漫才やコントはもちろん、ネタの合間で積極的にボケをかまして会場の笑いをかっさらっている。
エンディングでは、ノブから「シンプルに口がくせえ」と言われた大悟が「胃が腐っとるんじゃ」と返すお馴染みのギャグも。それにかまいたちが乗っかり、パロディギャグを披露する場面がある。今も「千鳥かまいたちアワー」(日本テレビ系)や「火曜は全力!華大さんと千鳥くん」(カンテレ・フジテレビ系)などで共演し、共にお笑いシーンを牽引している彼らの、抜群のコンビネーションをぜひ見てほしい。
ちなみにこの年のフットカットバトル優勝者は、まだ結成1年目のアインシュタイン。稲田の顔いじりを逆手に取るショート漫才で、勢いよく勝利を勝ち取った。他にも2011年の「オールザッツ漫才」は、インディアンスやアキナ(当時はトリオで「ソーセージ」という名前だった)など、次のM-1優勝候補となった面々がバトルでしのぎを削った傑作といえるだろう。
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