6話のキーパーソン・三隅を演じたのは、2018年の「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」をきっかけに芸能界入りした坪根。圧倒的に整ったルックスで“フォトジェニック賞”と“明色美顔賞”をダブル受賞。俳優デビュー作は2020年の連続テレビ小説「エール」と、芸能活動の最初から大きな注目を集めた存在だ。今回はうぐいす色の着物姿で登場し、さわやかな雰囲気を漂わせた。
そして今回、演技力でも魅了した。初めて朱梨が話を聞きに来た時に見せた一瞬の迷いの表情。師匠を陥れようとするゴシップ系ユーチューバーを怒りに任せて殺害してしまったシーンの切実な叫び。人を殺してしまったと我に返った時の震えるほどの恐れと後悔。そしてクライマックスの回想シーンで円山に向けられた、包み込むように穏やかな敬愛の笑み。
つらい時にも自分を見捨てず支えてくれたこの三隅という弟子を守るため、円山は殺人という重い罪をかぶることを決めたのだ。そのことに納得せずにいられない、誠実であたたかな三隅の人物像を坪根が作り上げた。彼のあたたかさを受け、「三隅は私に“心の平安”を与えてくれた。もう、それで十分だった…」と罪をかぶった円山。演じる尾上寛之の穏やかな表情が切ない。
“感情”を手掛かりに事件の真相に迫る意欲作「オクトー ~感情捜査官 心野朱梨~」。ドラマが佳境へと向かっていく中、毎回のゲスト陣の演技にも注目したい。(文=ザテレビジョンドラマ部)
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