山本舞香「自分で決めたい」、“強め女子”イメージの裏にある自分らしさとは

2022/09/01 08:30 配信

映画 インタビュー 動画

映画「ブレット・トレイン」吹替版で声優初挑戦した山本舞香。 撮影=梁瀬玉実

山本舞香が、9月1日(木)公開のブラッド・ピット主演映画「ブレット・トレイン」の日本語吹き替え版で、声優に初挑戦。初めて挑戦した声を演じることについてはもちろん、「日本の作品でよく私が演じているようなキャラクター」という今作の役柄とリンクする山本の“強め女子”のイメージについて、そして女性から支持される“自分らしさ”について話を聞くと「意思表示をして自分で決めたい」「女優もモデルもバラエティーも全部が命がけ」というスカッとした答えが返ってきた。

『ブレット・トレイン』より(C)2022 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.

「“プリンス”は日本で私がよく演じてるような役。最初は難しかったけど、楽しめました!」

山本舞香撮影=梁瀬玉実


本作で山本が担当したのは、ジョーイ・キング演じる“プリンス”の日本語吹き替え。プリンスは、かわいらしい外見だが、悪魔のような性格の持ち主。強運を武器に、ブラッド・ピット演じる“レディバグ”を翻弄し、超高速列車で起こる出来事を陰で掌握していく女子学生役だ。そんな役柄や初挑戦した“声優”という仕事に感じたことに迫る。

ーー今回「ブレット・トレイン」でプリンス役に選ばれた時の気持ちを教えてください。

“プリンス”の声をやることになって最初に映画を見させていただいた時、「ですよね」って思っちゃいました。強めの女性で、闇を持っていたりと“日本で私がよく演じてる役”だなぁって。顔も似てると言われたんですけど、「私、こんなに美人さんじゃない」って恐縮しちゃっていました(笑)。

『ブレット・トレイン』より(C)2022 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.

ーー声優のお仕事をやってみて、いかがでしたか?

“声優”というお仕事で私がイメージできたのは、ばっちりメイクして、衣装を着て、台本を持って……という、情報解禁のニュースでよく見る映像や写真しかなくって(苦笑)。とにかく“声優”のお仕事が、どんな感じなのか全く分からない状態からのスタートだったので、監督にご指導いただきながら、やっていった感じです。

1シーンずつ映像を見てから、声を当てていったんですけど、声優さんって、本当にすごいなって思いながらやってました。アニメの声優さんは、線画だけで絵が動いてない状態で声を演じる場合もあるじゃないですか。そういうのを考えると、私は映像があって良かったって思いましたね。

ーー自分が役を演じるのと、声だけを演じるのは違いましたか?

全然違いましたね。自分で考えてお芝居するのと比べると、相手がもうお芝居をしている映像に声を当てるのは、やっぱり難しかったです。特に表情と声のテンションなんですけど、私のこの声だと、テンションが低すぎても伝わらないし、高すぎても合わないという、その絶妙なラインを模索しながらやるのがすごく難しくって…。監督と話し合いながら、もうちょっと上げてやってみよう、もうちょっと下げてやってみようと試行錯誤しました。

でもやっていくうちに楽しくなってきてノリノリになれて。監督さんにもノッてきたねって言われたんですけど、ノってきたのが中盤ぐらいだったので、最初の方を撮り直しました(笑)。

ーープリンス役のジョーイ・キングさんから山本さんにメッセージが届きましたが、その映像を見てどう感じましたか?

すごくうれしかったですよ、あの映像は! サプライズだったので本当にビックリしました。「あっ、だから今日、メイクしたんだな」ってその時気づきました(笑)。

ーーもし、実写版で山本さんにプリンス役のオファーが来たとしたら、どうですか?

もう“プリンス”を演じられたら、絶対楽しいと思う! だけど、私、英語は本当に単語単語しかわからないんで…。ハリウッド映画に出るなんて夢のまた夢だけど、「いつか」という思いはあるので、英語、勉強しようって思いました。でも、まだまだ日本で名前を売っていかないとですね。

ーー今後、声優のオファーが来たら、どうしますか?

声優さんたちが活躍する場なので、あんまり「やりたい、やりたい」とは言えないですね。でも今回楽しくできたので、自分にできそうな役を声かけてもらえたら、ぜひやってみたいです。

女優業の魅力は…「自分の1分1秒をその役に捧げてるって思うと“生きてるんだ”って感じる」

山本舞香撮影=梁瀬玉実


今回、声優に初挑戦した山本だが、モデル、女優としての幅を広げているだけでなく、バラエティー番組でもその飾らない率直な発言で女性からの支持も高い。そんな山本の転機となった作品や仕事への向き合い方なども聞いてみた。

ーー山本さんはドラマや映画での活躍が目覚ましいと思っていますが、山本さんが女優のお仕事に注力されるようになったきっかけはありますか?

やっぱり、映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」(2018年公開)だと思います。この作品で、初めて役が自分の中にすごく入ってきたことを実感したんです。よく台本のト書きに「泣く」って書いてあったりするけど、あるシーンで勝手に涙が出てきて……。

大雨の中で、鰤谷美礼(小野花梨)を叱るシーンだったんですけど、彼女とは14歳ごろに「13歳のハローワーク」(テレビ朝日系、2012年放送)で共演していたので、いろんな事がフラッシュバックして……。涙は止まらないし、過呼吸になって息もできない状態になっちゃったんです。そういう状況になったのは初めてでとても苦しかったんですけど、「こんなに役が自分の中に入ってくると楽しんだ」って思えたんですよね。

それから「死にたい夜にかぎって」(TBS系、2020年放送)でうつ病になる役をやったんですけど、役同様に自分もつらい気持ちになってしまったことがあって……。でもお芝居だとしても中途半端じゃできない、自分が役と同化して病んじゃったとしても視聴者に伝えたいって思いが強くって。お芝居って他人を演じてるけど、自分自身の人生の1分1秒をその役に捧げているって思うと、「生きてるんだ」って感じるんですよね。