そんなヒョンシクの穏やかな素顔が投影されているような役を演じているのが、ディズニープラス「スター」で独占配信中の短編ドラマ「サウンドドラック #1」だ。19年来の親友である作詞家のウンス(ハン・ソヒ)とカメラマンのソヌが友情と恋の間で揺れ動く姿を描いており、ヒョンシクは作詞家としてチャンスをつかみたいウンスを手助けするソヌを演じている。
ある日、ソヌは片思いについての歌詞がうまく書けないウンスにアドバイスするために彼女と2週間の共同生活をすることになるのだが、ソヌが長年片思いをしている相手はそのウンス。誰が見ても分かるぐらいバレバレなのだが、当のウンスだけは気付いておらず、切ない時間が過ぎていく。
とはいえ、ウンスはソヌが恋愛対象としてナシというわけでなく、大切で一生会いたい相手だから恋愛はしないというスタンスのため、ソヌも本心を言い出しにくい状況に陥っている。言いたいけど、言えない。でも、他の男が彼女に近付くのは許せない、というソヌの心の声が、甘いマスクから漏れ出ており、ファン必見の一作になっている。
真っすぐに相手のことを思っているからこそ、自分の気持ちを押し付け過ぎない。そんなソヌという男にリアリティーを与えているのは、彼自身のキャラクターのように思われる。「IN THE SOOPー」を見ても分かる通り、穏やかで出しゃばらず、相手を尊重するヒョンシク。ソヌは彼だからこそ作ることのできたキャラクターのように思える。
「サウンドドラック #1」序盤のソヌはウンスにとって最高の男友達として登場するので、リアルな友情を映す「IN THE SOOPー」を見てから「サウンドドラック #1」を見るとリアルとフィクションが地続きになり、より楽しめるかもしれない。
◆文=及川静
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