<オールドルーキー>東京五輪の1年後にあえて編成…担当者が語る作品の意義「スポーツの熱が冷めないように」

2022/08/23 07:00 配信

ドラマ インタビュー

「オールドルーキー」第5話より (C)TBS

新町の真っすぐな姿勢が「一筋の光になっていったら」


――新町は非常にピュアで魅力的なキャラクターですが、演出面で意識的にしていることがあれば教えてください。

いろんなスポーツ選手を取材した時に、少年のような気持ちを持ってらっしゃる方が多かったんです。それ故苦しんでいる方もいっぱいいらっしゃるのですが…。だからこそ、絶望な状況の中でも一筋の光になっていったらいいなと思い、新町というキャラクターを作りました。

綾野さんは(新町を)演じるにあたって、いろいろ考えながら演じられているなという印象があります。そんな中で、監修についてくださった大久保(嘉人)さんが、ものすごくピュアな人で。新町は大久保さんの人柄にすごく影響されていると思います。

そして、綾野さんと現場で意識していたのは、“狙っていない感”ですね。キーワードとして「真剣」という言葉がよく登場するのですが「真剣に見えるか」を大事にしています。真剣に前向きに言っているのか、狙って前向きに言っているのかは違うと思うので、常に気にするようにしています。

編成はあえて1年後…見えてきたスポーツの“悲しい側面”


――昨年東京オリンピックが終わり、世間的には落ち着いているような雰囲気がある今の時期に今作を放送すると決めた理由や意義があれば教えてください。

今作の企画は、東京オリンピックが始まる前、ちょうど2年前に立ち上がりまして。2022年の夏は、オリンピックが終わって1年後。おそらくスポーツ熱が冷めている時期だろうなと思っていました。

そんな中で脚本の福田さんと話していたのは、みんな好きなスポーツや見ているスポーツは必ずあると思いますし、オリンピックになるとすごく盛り上がりますよね。あまり知られていない種目でメダルを取ると一躍有名になるけど、すぐにマイナーに戻ってしまう。

一過性のものにされちゃう瞬間もあるというのが、スポーツの悲しい側面だなと感じたんです。

だからこそ、オリンピックの1年後である今の時期に放送することで、この作品を通してっていうのはとてもおこがましいんですけど、スポーツの熱が冷めないようになるといいなと。あえてオリンピックに合わせるのではなく、みんなの記憶に少し残っている時期にやりたかったので、このタイミングで編成してもらったという経緯があります。