9mm Parabellum Bullet・菅原卓郎「この曲はバンド演奏で、2022年の音だな。9mmというバンドの曲なんだな」と分かってもらえる作品ができました

2022/08/24 12:01 配信

音楽 インタビュー

9mm Parabellum Bullet・ボーカル&ギター菅原卓郎   撮影=大石隼土


「この曲はバンド演奏で、2022年の音だな。9mmというバンドの曲なんだな」と分かってもらえる作品ができました


――共に泣いたり苦しんでくれる人がいると思えることは、救いや支えになるだろうなと。アルバムを携えたライブツアーを待っているファンも多いと思います。

菅原:これまでは、9月9日にリリースしてきたことも多いですが、今回はみんなが聴いてからライブに来てもらえるようにツアー初日をその日にしました。いわゆる普通のレコ発のツアーを3年くらいやっていなかったので、僕らも楽しみです。
実は、2020年にもアルバムを作ろうとしたんですが、実現には至りませんでした。もしその時無理に作ったとしても、エネルギーに溢れていた曲は、2020年では説得力がなかったと思います。聞いてくれる側も「こんな気分で聴かされても…」とすんなり聞けなかったんじゃないかなと。今ようやく、ライブをやってもいいという空気になり、状況とどう付き合っていくかという対処の仕方も少しずつ蓄積されてきましたよね。まだ声は出せないけど、ちゃんと聴ける気持ちになっていると感じますし、盛り上がれるようになってきたなと。

――コロナ禍のライブで気づいたことはありますか?

菅原:声は出せないけど、みんなが歌っているかのように感じるんです。歌ってないなんて信じられないような熱を感じますね。配信ライブから有観客になって、それを痛感しました。目の前に人がいることで、まるで違うんです。本当に僕らはなにかを交換していたんだなと気づかされました。

――今年はデビュー15周年ですが、アニバーサリーの予定はありますか?

菅原:僕らは結成して以来、ずっと曲を作ってライブをするのを繰り返してきたバンドです。デビューから15年経ってもそれは変わらないし、コロナ禍でもそれを止めなかった。どんな状況になってもバンドをやってきたんだなと思うし、「もう、これ終わんないな」って(笑)。はたから見たら、ちょっと休んでもいいんじゃないのって思うけど、今もそれがやりたいことだし、バンド活動がずっと楽しいんですよね。
 新作「TIGHTROPE」には、9mmに対して自分たちやファンのみんなが持っているイメージももちろん入っているし、やはり2022年の音も入っているんですよね。いろんなジャンルやいろんな世代の音楽が、サブスクリプションによって並列で聴かれる時代です。その中で、ふいに僕らの曲が流れたとき、「この曲はバンド演奏で、2022年の音だな。9mmというバンドの曲なんだな」と分かってもらえる作品ができました。意識的に時代に寄り添わなくても、僕らが影響を受けたものを音にすることで、今の9mmにしか鳴らせない音になっていると思います。

――2024年には、結成20周年を迎えます。

菅原:来年は、19周年なのでいろいろやろうと思っています! 20周年の前から、シンコペ(シンコペーション)で食い気味に祝いますよ(笑)。面白いことができたらと考えているので、楽しみにしていてください。




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