堂島孝平「いい意味で肩の力が抜けて、ミュージシャンとして、シンガー・ソングライターとして、一番いい状態かもしれない」

2022/08/25 12:00 配信

音楽 インタビュー

アルバム『FIT』が発売中の堂島孝平   撮影=大石隼土

自分の活動も楽曲提供も、相互にいい刺激を与え合えるようになったのかなって思います


KinKi Kidsをはじめ、これまで楽曲提供をしてきたアーティストやアイドル、声優は数知れず。「一番いい状態かもしれない」という現在のモードは「自分だけの作品を作り続けてきたらこうなっていたかは分からない」とも分析する。

「僕はKinKi Kidsの20周年のタイミングから彼らの音楽プロデュースに関わるようになって、その辺からありがたいことに楽曲提供のお仕事が一気に増えたんです。そんな中で、自分の良さを他の人たちはどう見てくれているのか、自分には何が求められているのか…というのがだんだん分かってきて、一方の自分の曲を書くときは、“こういうのが(人からは)オイシイと思われているんだな”というところを切り離して考えるようになっていったんです。自分で思い付くことはまた別、みたいな。でもその2つの活動のサイクルをずっと両輪でやっていくうちに、すごくでっかいひとつの輪になったというか。外側のみんなに求められてることが自分にとっても自分らしくあることだって思えて、自分の活動も楽曲提供も、相互にいい刺激を与え合えるようになったのかなって。いい合致の仕方をしたのかなと思います」

その思いは、インタビュー冒頭の「自分の音楽の鮮度を保つ」というポイントにも繋がってくる。

「自分の場合は多分、純粋な裏方の作家ということじゃなく、自らもアーティスト活動をやっていてオリジナルがあるから…ということで起用してもらっている人間だと思うんです。だから自分自身のやりたい音楽の鮮度も高く保っておくことができないと他の人にもいい曲が書けないという思いはずっとありますし、さっき言った“分断”のようなものがなくなってきたからこそ自分の作品の方でも“次はこうしてみたい、ああしてみたい”というのがどんどん膨らんで。自然な形で音楽に落とし込めているような気がします」