――舞台の魅力は?
一つの作品でも、一回も同じものがないところ。お客さんの反応によって、私たちの演技も変わっていくんです。「あれ? このシーン、昨日は全然笑いが起きなかったけど、今日は皆さん笑ってるな」とか。日によって全然違うので面白いです。本番中に、目の前に座っている方の泣いている顔が見えたりもしますし。
――結構、冷静ですね。
お客さんの顔って、意外と見えるんですよ。共演者の方と、客席のリアクションについてお話することもよくあって、それが次のお芝居につながったりするんです。
――今回、主演される舞台「幻想奇譚 白蛇伝」は、中国民話がベースになっていますね。
そうなんです。私が演じる白娘は蛇なんですけど、登場するキャラクターの中で一番人間らしいなって。とても素直に生きている感じがします。純粋で真っすぐなところが魅力的。その真っすぐさをしっかりと表現できたらいいなと思っています。
――演じる上で心掛けている点は?
自分が思ったことを信じる、信じたいという白娘の気持ちには私も共感するんですけど、今回は自分と重ねるということではなく、演出の菅野さんが描く世界観に沿ったものをつくっていきたいなと思っています。
――菅野さんからは、どんな白娘像を求められていますか?
びっくりするぐらい真っすぐでいいと言われています。ちょっとした迷いも見せてはいけない。それは、私も感じていた部分で、迷いが生まれた瞬間に白娘ではなくなってしまうんです。
――本番が近付いてきて、ますます稽古にも熱が入りますね。
今回の作品では、初日からすべての動きをつけた稽古だったんですよ。演じる側としては、その方が物語の全体が見えてくるので、その後に細かくお芝居を作っていく過程でやりやすくなるんです。それは、すごくありがたかったですね。
――せりふ覚えは苦労しないタイプですか?
一年前に演じた役のせりふをまだ覚えていたりはするんですけど、覚え方はどちらかというと効率が悪いかもしれません。まずは、台本を最初から最後まで全部読むんです。その後にせりふを書いたり、自分で読んで録音したりして。
どんどん段階を踏んでいくんですけど、ある程度進んだら、今度は自分のせりふの部分だけを声に出して読んで、また録音。それを繰り返し聞くんです。
書くこともそうですし、せりふを繰り返し聞いたり、声に出すと頭に入りやすい気がしますね。先輩方からいろいろ教えていただいたので、一つ一つ試しながら自分に合うやり方で覚えています。
――今回の稽古中、共演者の方から学んだことはありますか?
秋夢乃(あき・ゆめの)さんの佇まいが、ホントに女性らしいんですよ。うらやましいくらいすてきなんです(笑)。ぜひ、自分でもまねしたいですね。
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