――アナウンサーを志したきっかけを教えてください。
ニュースや情報番組に興味を持ち始めたのが、小学生のときに、池上彰さんが司会をされていた「週刊こどもニュース」(NHK総合)を見ていて、面白いなと思ったことでした。それからニュースや情報番組が大好きになって見るようになりましたが、中学生の頃の何かのイベントで、人前に出てしゃべったり、朗読をしたりするのがすごく楽しくて「こういうことが好きだな」という感覚が芽生え、「これってアナウンサーさんのお仕事にあてはまるのかな?」と。ただ、なれるわけがないと思っていたので、漠然とした憧れでした。就職活動も、“絶対にアナウンサーを目指す!”という思いは正直なく、マスコミ業界や金融業界、留学など、いろんなことに興味があって、「あれもやってみたい、これもやってみたい、社会人って楽しそうだな、どんな刺激があるんだろう」と夢や妄想が膨らみすぎて(笑)、ワクワクと楽しみにしていた感覚でした。
――一方、大学時代にセント・フォースに所属されますが、どのような経緯で所属されたんですか?
いわゆる大学のミスコンテストに出場したときに声をかけていただいたのですが、私は地方出身なので、東京で起こる“そういうこと”って、何だか怖さを感じてしまって(笑)。でも、ミスコンの先輩が一時期セント・フォースに所属していらして、「いい事務所だよ」と背中を押してくださったのも大きく、大学2年生の終わりに所属することになりました。その後大学を卒業して、周りの人たちが就職するタイミングで、私も「めざましテレビ」にお天気キャスターとして出演し始めたので、何となく就職したような気分でもありましたし、不安というよりは、ずっと憧れていた職業、しかも小さい頃から見ていた「めざましテレビ」に関われるなんて、ぜひ挑戦してみたい!という一心で頑張りました。
――「めざましテレビ」のお天気キャスターから始まり、「めざましテレビ アクア」の木・金曜メインキャスター、「めざましどようび」の4代目総合司会を務め、2018年に卒業されました。「めざましテレビ」はどんなものが得られましたか?
やっぱりチームプレーなんだな、ということですね。それこそ最初に担当したお天気は、場所もみんなと離れていたり、1人だけ外から中継したりで、どちらかというと単独行動みたいな感じがあって、最初はみんなと一緒に番組をやっている感覚が湧きづらかったんです。でも少しずつ、みんなそれぞれの部門で頑張って、「めざましテレビ」っていう1つの番組を作っているんだ、と。当たり前のことなんですが、私はそこが社会人として初めての場所だったので、仕事として、チームワークで何かを作り上げることを始めて経験して、自分もチームの一員なんだなっていうことを身にしみて感じましたし、そういう感覚を養っていただいたと思っています。特に、“めざまし”って大所帯で、当時、スタッフさんを含め200人以上いたと思うんです。その全員で作ったものの集大成が2時間半とか3時間の生放送だと思うと、すごく感動しました。
――“めざましファミリー”の皆さんはいかがでしたか?
皆さん本当にいい方ばかりで、人にもとても恵まれていたと思います。驚いたのが、皆さん、本当にしゃべるのが好きなんだな、ということです。当時は放送が終わってから反省会をしていたのですが、早起きして、2時間半とか3時間の生放送をしたばかりなのに、おしゃべりが止まらないんですよ。しかも、それがまた面白い! 急にちょっと大喜利っぽいことが始まったり(笑)、むしろ今から本番かと思うぐらい元気なんです。皆さん、本当にしゃべることが好きで、面白いことをゼロからパッと作り上げるのも好きなんだな、という空気をいつも感じて、楽しんでやっているからこそ、いいものができるんだな、と。眠いとか、大変だとか、そういうことが一気に飛んじゃうような皆さんのエネルギッシュさは、本当に刺激になりました。
――アナウンサー=伝えるお仕事、という点ではどのような経験になりましたか?
お天気は本当に体当たりでやっていた部分があって、暑いときは暑いところに、寒いときは寒いところに行く、という役割だったのですが、そのときに、自分の語彙力のなさに改めて直面することにはなりましたね。例えば、「寒い」と言っても、どんなふうに寒いんだろう。痛いのか、眠いのか…。しかも冬だったら毎日寒いわけですから、今日の寒さは昨日と何が違うのか。すごく細かいんですけど、“どんなふうに”というのを何パターン言えるか、ということを考えましたし、感じていることを言葉で伝えるのは、こんなに難しいんだと痛感しました。それから、五感をすごく働かせるようになりました。五感すべてで天気というものの情報収集をして出そう、と考えたんです。
――そのために、どのようなことを心がけていましたか?
とにかく体験、体感するということですね。機会があれば自分で飛び込んでいって、五感で吸収し、何とか自分の言葉で紡ぎ出したい、と。伝えていく中で、少し自分らしさも出したいという欲も出てくるんですよね。そのためにもいつもフットワークは軽く、体当たり的なこともできるだけしたいと思っていました。
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