――現場では率先してベックに話し掛けていたそうですね。
ありがたいことに、僕がコミュニケーションを取りやすいような環境を皆さんがつくってくれました。当時のベックは、まだ子犬で人懐っこく、みんなもお世話したかったと思うのですが、なるべく僕中心にしてくれて。現場までリードを持って一緒に移動したりもしました。ただ、体も大きいのでパワーがすごくて。階段を一緒に走るシーンとかは、気を抜くと僕が引きずられそうになってしまうんです。子犬なのにやるなって(笑)。撮影を通して心を通わせることはできたと思います。今も会うと、「おい、田中!」とコミュニケーションを取ろうとしてくれるので、本当にかわいいです。
――一緒に撮影をしていて改めて感じたのは、ベックの頭の良さだと言っていましたね。実際にどういうところに感じたのでしょうか?
民夫が駆け寄ってくるハウを抱き締めるシーンがあるのですが、そのシーンは意外と大変でした。数日空いての撮影だったので、ベックは僕を見つけると、もうスイッチが入った感じになっていて、監督も「今の気持ちで撮影しましょう」と、リハーサルなしで本番になって。僕が「ハウ!」と呼んだら、ベックがすごい勢いで駆けてきて、さぁ抱きかかえようと思ったら、僕の横を通り過ぎて行きました…。もう肩透かし(笑)。思わずツッコんじゃいました。ちなみに、ベックはあえて人にぶつからないように避けてくれているから、こうなってしまうわけで。だから、飛び付くシーンはベックにとってはあり得ないシーンの連続。カット割りで工夫しながら撮影したのは、思い出深いです。
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