森七菜「本当に、聴いてくれる人の声が一番の次への活力になっています」

2022/09/09 12:00 配信

音楽 インタビュー

女優のみならず、2020年からスタートさせた歌手活動でも注目を集める森七菜。発売中の1stフルアルバム『アルバム』は、岩井俊二×小林武史のタッグで制作されたデビュー曲「カエルノウタ」、大ヒットしたホフディランのカバー「スマイル」など注目の楽曲を多く含むバラエティーに富んだ一枚だ。

1stアルバム『アルバム』をリリースした森七菜  撮影=大石隼土


私の人生の宝物をいただいたなと思っています


「これまでリリースした5曲に新曲5曲を加えたアルバムで、本当にたくさんの方々のご協力をいただいて完成しました。それぞれの楽曲を聴いていると、写真のアルバムを開いて“こんなことあったな、あんなこともあったな”って、いろんな風景を思い出すような感覚になるんです。聴いてくれる皆さんにとっても、その人の生活や日常に曲がリンクしていくことで今作が写真のアルバムみたいなものになればなって。そんな願いを込めて『アルバム』というタイトルを付けました」

新曲には、コレサワ、kiki vivi lilyオカモトコウキ(OKAMOTO‛S)、福岡晃子佐藤千亜妃ら豪華アーティストが参加。全て、彼女のリクエストが実現した形だ。

「私が元々好きだった方や一緒に曲が作れたらいいなと思った方にオファーさせていただきました。『君の彼女』を作ってくださったコレサワさんは、ポップな作風が好きで、私自身も学生時代よく彼女の曲に励まされていたんです。今回は恋愛の曲をお願いしたいと思って、2人で1時間ほどいろんな話をした後に書いてもらったのですが、歌詞にもメロディーにもコレサワ節がすごく入っていて。全力で恋する感じの甘い曲で、森七菜というよりは新しい“役”を与えてもらったような感覚で歌いました。『かたつむり』は作詞が福岡晃子さんで作曲が佐藤千亜妃さん。チャットモンチー(福岡)もきのこ帝国(佐藤)も大好きで、両方NGかもしれないけど、どちらかお一方でも引き受けてくれたら…という思いで依頼をしたら、何と共作してくださることになったんです。J-POPが好きな人なら誰もが驚くようなビッグなコラボが私の作品で初めてかなうというのが、もう、夢のようでした。心に直接届いてくるような、自然と涙が出そうになる1曲。私の人生の宝物をいただいたなと思っています」

PUFFYの大ヒット曲のカバー「愛のしるし」はオカモトコウキがアレンジを担当。ロック感が増した新たな音の景色と、森のピュアなボーカルに心が洗われる。

「昨年、『スマイル』を歌わせていただいたときにすごく反響が大きかったんです。たくさんの方に聴いていただけて、『またカバーを』という声もあったので、昔からよく聴いていて、どんな心境のときもスッと入ってきて元気になれる『愛のしるし』に挑戦しました。心に余裕がなかったり、卑屈になっているときって、図星の意見でも受け入れられなかったりするじゃないですか。そんなときでも『愛のしるし』はいつもなぜか素直に聴けて、私自身、すごく大切にしてきたんです。『スマイル』を子供たちがたくさん聴いてくれた印象もあったので、小さい子に届く曲を選びたいという思いもありましたね。アレンジはオカモトさんで、間奏のギターソロとかすごくカッコいい感じになって私もがぜんやる気が(笑)。有名な名曲をカバーするのは不安もありましたが、ノリノリで歌わせていただきました。先行配信を既に聴いた方から『また新たな「愛のしるし」が聴けた』とか嬉しい反応や声も届いていて、本当に良かったです」