【漫画】“トップじゃない”棋士のゆるい日常を描く新感覚将棋コメディが話題 将棋がわからなくても伝わる面白さ

2022/09/14 08:30 配信

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今、将棋界の新たな扉が開かれている


――“観る将”だという増村先生ですが、将棋は全くわからないけど興味があるという方に、今の将棋界の面白さを伝えるとしたら?

今は将棋の楽しみ方がすごく増えているので難しいですが…たとえば藤井聡太竜王かなと思います。最年少記録がたくさんあるので「なんかすごい!」というのが伝わりやすい。里見香奈女流五冠も、女性の競技人口が少なく厳しい世界の中で、今まで破れなかった壁をどんどん破っていく姿がすごい。今、将棋界の新たな扉が開かれている、今までにはなかった出来事が起きていると感じます。

――そういったトップ層の対局の面白さとは?

正直、プロの対局は理解すらできないときもあります。知識のゲームなので、棋力がそこに至っていないとわからない。ただ、今はAIが発達して機械の方が人間より強くなっているので、中継でも「評価値」という形で機械がどちらが優勢かを示してくれるようになりました。だからなんとなくでも内容はわかると思いますし、それで興味を持って色々調べていくと、見るのがどんどん面白くなると思います。将棋のルールについては他にもっとわかりやすい漫画がたくさんあるので、「花四段といっしょ」は全然架け橋にはならないんですが…(笑)。

――増村先生が今注目している棋士を教えてください。

先程の里見香奈女流五冠と、西山朋佳女流二冠の戦いは面白いです。女流同士の戦いは、将棋のルール自体は一緒なのに (男性棋士同士の将棋とは)違う発展の仕方をしているんですよね。すごく不思議だし、ドラマがあります。

――最後に、コミックス第1巻も出たということで、これから「花四段といっしょ」で描いていきたいことを教えてください。

とにかく今は「もっと人気が出たらいいなあ」と思って目の前のことで精一杯ではあるんですが…キャラクターがどんどん増えていっているので、考えているそれぞれのバックボーンまでちゃんと描き切って、終わりまで持っていきたいです。特に花四段については過去も未来も考えているので。