──では「魔法のリノベ」の久保寺はいかがでしょうか？
久保寺に関しては、浅瀬をずっと泳いでいるというか(笑)。でも浅瀬は浅瀬で意外と難しいんです。気を抜くとすぐに足がついてしまうので。あとは演出が「おっさんずラブ」でもご一緒した瑠東(東一郎)監督ということもあって、「面白いこと期待してるよ」というプレッシャーを常に感じながら演じています(笑)。それはそれで、どう演じようかと思いながら楽しんでいます。
──現在だけでも、ドラマ2作に出演かつ映画も控えているという状態ですが、金子さんは2019年あたりから主演作も含めて出演作が増えてきましたよね。ご自身の中で、お芝居というものに対する気持ちの変化はありますか？
あります。それまでは、まずオーディションに受からない、出れたとしても1シーンだけとか。もちろんすべてがターニングポイントで、すべてがつながっているから今こうしてお仕事させてもらえているとは思うのですが、やはり主演やメインの役で出演させていただく作品は「僕にBETしてくれた」という喜びがあります。それまで自分の中に「俺なんてダメだ」という気持ちがあったんですが、「主演で」と言ってくださる方が増えたことで、「期待以上のものをやらなければ」「一つずつ真剣にやらないといけない」と改めて思うようになりました。
──この先、演じてみたい役や出てみたい作品はありますか？
いただける役が偏っていると思っていて。ものすごく陽気な役か、反対にすごく繊細な役か。なので、これまでやったことのない役をやってみたいですね。すごくシリアスな役とか、普通の青年とか。あとは“白馬の王子様”のような役とか…僕、“学園もので壁ドン”とかしてみたかったんです(笑)。けど、もしこれからそういう役をいただいたとしても、結局恥ずかしくなって笑いの方に振り切ってしまうような気もするので、地道に頑張ります。
──今後も様々な役どころでの金子さんを楽しみにしています。では最後に、俳優としての展望を教えてください。
見てくださっている一人一人に、ちゃんと感動を届けられる俳優になりたいです。そのためにも、何かはちゃんと伝わると信じて、一つ一つの役に向き合っていきたいなと思います。
■取材・文／小林千絵
撮影／後藤壮太郎
ヘアメイク：Taro Yoshida(W)
スタイリスト：千野潤也(UM)
シャツ￥41,800、パンツ￥41,800(共にセブン△バイ△セブン)／サカス△ピーアール
カットソー￥11,000(プラスターナ)、ブーツ￥194,700(グイディ)／共にプラスターナ△千駄ヶ谷