コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回ご紹介するのは、としきちさんによる『2階立てアパートベランダ無しワンルーム目張り済み』。この作品はマンガ家志望の青年が不思議な少女と出会い、ある人物を探す短編ミステリーで、Twitterでは9月5日時点で2万を超える「いいね!」が寄せらている。この記事では、作者のとしきちさんに本作へのこだわりなどを聞いた。
「あ、ごめんね 勝手に入っちゃった」漫画家志望の冴えない青年の家に突如現れた制服姿の美少女。彼女は人を探しており、尋ね人の忠実な似顔絵を描くことができる絵描きを求めていた。不思議な少女に請われ、青年は似顔絵を描くことを承諾。こうして二人による奇妙な追跡調査がはじまった。しかし、SNSに似顔絵をアップするも思うように拡散されず、なかなか有益な情報が得られない日々が続く。暗い見通しの中、青年の漫画を載せることで多くの人の目に留まる作戦に。そして、ついに有力な情報が手に入る。少女は探していた人物にようやくたどり着くのだが、その人物とは…。
予想できない鮮烈なラストの展開に、「伏線がすごい」「鳥肌が立った」などのコメントが集まっている本作。オチを知ってから改めて読み直して、伏線の答え合わせをしてみるのもおすすめだ。
――本作を創作したきっかけや理由があればお教えください。
もともとは「この人知りませんか?」というテーマで作成した合同誌に寄稿するために作成した原稿でした。上記のワードで探されてる側が主人公たちだったら面白いな、と思いこういった話になりました。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
少女が幽霊であることがわかりやすすぎないように、けれど彼女が人間ではないことが序盤からわかるようにヒントは散りばめる、という塩梅に一番こだわりました。読み返した際に上記のヒントに気付いてもらえるのが一番嬉しかったです。
――本作の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
ラストで主人公が通報するシーンです。家に知らない人がいても気にしない程に人生を諦めていた主人公が、少女と出会ったことで自ら行動する気力を取り戻したシーンでもあるので。
――「死に損ないアガペー」や「深海より」など、サスペンスフルな作品をよく描いていらっしゃいますが、理由があればお教えください。
好きな作品の傾向がサスペンス系なので、自然とそのジャンルの漫画が多くなっています。
―― 影響を受けた作家や作品があればお教えください。
影響を受けきれているかはわかりませんが、漫画だと『船を建てる』(著・鈴木志保)の独特な空気感と詩的さ、他にもアニメ『新世界より』の空気感もすごく好きで作品に取り入れたいなと思ってます。好きな作品です。
――今後の展望や目標をお教えください。
まずはコンスタントに漫画をまた描いていけるようになりたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
いつも見てくださってる方々には感謝してもし足りない思いです。ありがとうございます。
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